河田 克之 ・兵庫県開業 |
1997年 VOL 22 NO293 別冊号 |
開業歯科医院の経営環境の厳しさが取り沙汰されて、久しくなります。歯科医師過剰、
保険点数の頭打ち等の環境に加え、バブル崩壊後の景気の低迷も歯科医院経営に影を落
としています。そのような環境のなかで、日々診療に当たられる先生方は、医院経営を
成功させるため、診療環境の整備や技術の向上に日夜努力を重ねておられるに違いあり
ません。しかし、歯科診療は常にチームワークであったり、患者さんとのコミュニケー
ションが求められたり、地域社会とのかかわりで捉えられたりする側面も大きく、院長
一人の頑張りだけですべてが理想的に展開するとはいい難いことも否めません。
昨年1月に発刊された,96年度別冊『歯科医院経営 こんなときどうする〜ドクター
100人に聞きました』では、全国100名の開業医の先生方にご協力いただき、「日常診療
のなかで実際に遭遇した経営上の問題にどのように対処したか、またもし遭遇したらど
う対処するか」について、とくに頻度の高いと思われる問題に対するアンケートを行い、
多くの回答をいただきました。そしてその回答に専門家のアドバイスを加え、より実践
的な内容で構成しました。 おかげさまで、より身近な回答とアドバイスに大きな反響
をいただき、続編の発刊を望む多くの声を頂戴いたしました。そこで、編集部では多く
の先生方に採り上げたいテーマをお聞きし、そのなかから要望の多いものについてまと
めた本書を、「Part2」として発刊することといたしました。どのテーマも実際に直面す
ることの多い問題を含んでいます。前書と同様、より身近で役に立つ回答とアドバイス
を紹介する実践的な内容で構成しており、歯科医院経営上の問題解決の一助としてお役
立ていただけるものと存じます。
アンケートに回答をお願いしました先生方からは、多くの貴重な体験談やご意見をお
寄せいただきました。快くご協力いただきましたことに深く感謝申し上げます。
1997年1月 編集部