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経営コンサルタントのアドバイス
患者から料金の返還を求められた時に全額か一部かは別として、「返還する」という考えと
「返還しない」という考えに意見が分かれています。いずれの場合も「再製を提案する」とい
うのが手順のようですが、それに対する患者の反応によって意見が分かれるようです。それぞ
れ理由があるわけですが、患者との人間関係ないしは信頼関係を失いたくないという理由が大
きいようです。
契約の時の色と違う等という非常に主観的な見方、意見に対しては、どちらに責任と問題が
あるのか、明白にすることが不可能にちかいと思います。したがって先生のなかには「契約時
にはシェ−ドガイドとともに、口腔写真を記録として残して」おいて証拠とする、あるいは技
工士を立ち会わせることで回避している先生もおられます。このようなケースの場合、契約時
に前金を納めているということから「病院ゴロ」ではなく、はっきりとした苦情を持っている
患者だと考えられます。ただ先生が自費診療を勧める、または患者が自費診療を依頼してきた
過程で、どういうコミュニケーションが行れれたのか、どのような説明が行われて契約に至っ
たのかが問題になります。患者のながには意志のはっきりしない、他人の意見こ引きずられて
イエス、ノーを繰り返す患者がいますので、とくに上記のような確認の手続きとともに、その
ような患者に対しても一つひとつ確認できる説明と確認のコミュニケーションが不可欠である
と思います。
そこで「まず患者のクレームの真意がどこにあるのがを十分に見極める」ことが必要になり
ます。それには「すでに技工料や材料代を支払っていますので全額返還することはできません
が、色がお気に入りではないということでしたら、ご希望の色になるよう努力して再製してみ
ましょう」といって患者の反応をみれば、おおよその検討はつくと思います。その提案に同意
すれば本当に色が気にいらなくて苦情を言っていることになりますし、それでも同意しないと
いう場合は、「他人に指摘されて別の病院に転医を勧められ」ている等が考えられます。それ
から先は個々の先生の方針によって決められるべきもので、こうしなければならないというこ
とはないと思いますが、できればこちらの熱意と技術を再認識してもらうためにも、「あなた
の期待に応えるよう努力してみたい」という姿勢を示すほうがよいと思います。「熱意に感動し
てか、この方はその後たくさんの自費の患者さんを紹介してくれました」という例もあります。
苦情を聞いて患者とあれこれ会話をする前にアッサリ料金を返還して後腐れないようにしたい
という姿勢は、結局患者に対してのアピールが大変弱いという印象を与えます。より積極的な
姿勢と医療への熱意が今後の経営にとって大変重要な競争条件になるように思います。