経営コンサルタントのアドバイス
「即警察に連絡する」という回答の先生もおられますが、疑れれる他の7〜8人の患者への配慮
も必要です。このような問題の処理には患者の人権やプライドも絡んできますので細心の注意
が必要でしよう。まず他の患者もいるところで「バッグが見あたらない」と大声で言う患者を
院長室や医局室に呼んで、「当院へ来院するまでの間の置き忘れなどの間違いや勘違いはない
か」を確認することが第ーの手順です。このような時に他の患者やの立場も考えず大声を上げ、
あるいは事態にうろたえる患者を鎮めるために、その患者を「椅子に腰掛け、まずリラックス
するような雰囲気」にして、その患者の「性格、精神状態をよく観察」し、「何か勘違いをし
ている」のではないか、よく話を聞き、確認することです。ここまでは院長自身か、ベテラン
の受付が行うペきでしよう。そして間違いなく紛失しているということであれば、受付の担当
者がその悪者を連れて待合室に行き、他の患者の前で「患者の○○さんが、この待合室でバッ
グをなくされて困っておられます。誠にお手数ですが、ご自分の持ち物をご確認いただけませ
んか」と依頼するのが第二の手順です。 以上が最低の手順でしょう。それで出てくれば問題
はありませんが、出てこなければその後の処理をどうするかが問題になります。
回答のなかでは「警察に連絡することを全員に了解していただいて、警察の手にゆだねる」
という回答や「被害者に警察に届けるか意志を確認のうえで、それに同意すれば『被害届』を
出していただくようにする」という回答もありましたが、いずれにしても警察に届ければ、当
然警察は職務上取り調べることになります。即その場に出向いて調べるということはなくても、
誰が居合わせていたか、どういう状況であったかなど事情聴取するはずです。当然患者に不愉
快な思いをさせるわけです。実際にそのような出来事に遭遇きれた先生の場合、「警察に通報
して徹底調査することなどとてもできなかった」と回答されているように、患者のプライバシ
ーや人権を考えるとかなり難しいのではないかと思います。
問題は誰が犯人かを見つけることではないはすです。待合室内の出来事ですから、医院側、
受付担当者にも管理責任の一端があります。要はその患者のバッグが戻れぱよいことですから、
第二の手順までにして、以後はなくした患者にそれ相応の弁償をすれば済むことです。警察に
届けるのは紛失したという証明をとるためだけで十分だと思います。弁償した分を経費処理す
ることで、もちろん金額にもよりますが、お金で解決できるのならそのほうがよいでしょう。
いすれにしても発生を未然に防ぐために「患者さんには貴重品は必ず診療室まで持って入って
もらう」か「貴重品は受付窓口でお預かりします」と掲示しておくことも必要でしょう。出る
出ないにかかわらず他の患者にお詫びすることも大切なことです。