デンタルダイヤモンド  1997年 VOL 22 NO293 別冊号掲載 
こんなときどうする Part2

ワイセツ電話や無言電話への対応
ワイセツ電話や無言電話は困りもの。スタッフを不愉快にさせます。とくに忙しい時間を狙う ようにかかってくる場合、受付やスタッフにどのように対応させますか。

ワイセツ電話や無言電話への対応
河田 無言電話については経験あり
患者さんとの信頼関係がしっかりと構築されていれば、比較的起こり得ない事態ですが、無言 電話は経験があります。とはいえ、警察に届けるほどでもなく適切な対処法はありません。

経営コンサルタントのアドバイス
 世の中には他人の迷惑などまったく考えない非常識な性格破綻者がいるもので、電話という 文明の利器が、このような愚劣な行為にわれわれを拳き込んでしまうれけで腹立たしいことで す。無言電話の場合は医院に何か恨みを抱いた者が、または受付等のスタッフを恨んでの行為 であるかのどちらかではないかと思います。特定できるわけはありませんから、相手にしない のが定石ですが、だいたいこういう陰湿な性格の者はしつこいのが特徴で根くらべになります。
 返事がない場合は「ハイ、失礼します」と即座に電話を切るという方法で対処せざるをえな いでしょう。「精神的動揺が後に残らないベテランスタッフに電話を取らせるようにしている」 という先生もいますが、そのようなベテランガいない場合は因ります。とにかく相手にしない ようにするしかないでしょう。因るのは再々かかってきますと患者が予約電話をした時にいつ も話し中になることです。その場合は予約をした何人かの患者に何回ぐらいで電話がつながっ たかを確認してみて、平均3回以上になっているなら対策を講じる必要があります。1カ月以上 続くようならNTTに相談して、番号の変更も検討する必要があるでしよう。
 ワイセツな電話は明らかに「女性スタッフに対するいたずら」です。この対策として「途中 でわからないように」して院長に代わり、しばらく聞いたうえで、「もうそのくらいでいいか な」という男の院長の声で驚かす、というユニークな撃退法をいただいた先生もおられますが、 若いスタッフに電話しているとばかり思っていたら、男の声に代わっていたわけですから興ざ めもいいところで、何回か続ければ止めるでしょう。また「小さい声で聞こえるように『録音 ボタンを押して』とか『逆探知のスイッチを入れて』とか受付に言う」ことで撃退するという 回答もありましたが、どういう意図で何を考えてかけてきているのかが分からないわけですか ら、原則として「本気で相手にしない」ことがよいのではないかと思います。そして「あまり 策を弄して相手を刺激しないほうが得策」かもしれません。それは相手が「怒鳴られても反応 してくれることが楽しい」のかもしれないからです。「いたずら電話はやめてください。警察 に届け出ますよ」と毅然とした態度で言うという回答もありましたが、オーソドックスに対応 しても相手はかえって反発してきますので、ここは身をかわすやり方のほうがベターであるよ うに思います。
 また、うるさくかかってくる生命保険やリゾートマンションの販売や勧誘には「診療時間中 は一切お受けできません」と言って断るべきです。つまらない電話のために患者が連絡できな いわけですから、営業妨害になります。いたずら電話や無言電話は常識欠知で、他人の迷惑等 まったく意に介していない人間ですから、「申し訳ないのですが、あやめいただけないでしょ うか」とお願いしても多分だめでしょう。