歯根のう胞

根管治療
処置内容
歯根のう胞
【金属ポストの除去】
除去時の歯根破折や穿孔リスクは1〜2%。恐れるほどの数字じゃないけど、破折したら即刻抜歯。
歯根のう胞
【感染根管治療】
レントゲン的に問題がないように見えた根管充填も、実際治療してみたら腐敗しています。
写真は感染根管治療後(根充後)

 元来歯根のう胞は、歯とは関係なく根尖部付近に発生した膿の袋のことです。治療方法とし ては、外科的にのう胞摘出を行ないます。近接する歯の根尖に近い場合には、歯の神経を損傷 している可能性や損傷させてしまう可能性があるためにあらかじめ抜髄処置を行います。
 しかし実際問題として、歯と無関係に発生する歯根のう胞はきわめて稀で(開業以来 20年間見たことがない)根管内の腐敗による根尖病巣と混同されて診断されているようです。 過去に神経を取った既往のある歯であれば、ほぼ間違いなく根尖病巣です。 また、病巣の小さいものを根尖病巣、大きいものを歯根のう胞と区別したり、レントゲンの写り 方によって区別する場合もあります。しかし、これらの原因は同じで、治療方法も同じです。 ここでは、根尖病巣発生のメカニズムと治療方法について解説いたします。

 感染根管治療で解説した通り、根尖病巣の原因はあくまでも根管内 に貯留した汚物です。この汚物に対する拒絶反応の結果根尖部に炎症が起こったわけですから、 根本的な治療方法は、完璧な感染根管治療以外のなにものでもありません。例え、高価な補綴物 が装着されていたり、除去するのが面倒で除去時に破折リスクがあるような長い金属ポストが挿 入された歯であっても他に選択の余地はありません。
 大学病院をはじめ、多くの医療機関で歯根端切除を勧められ ているようですが、根本的な原因である根管内の汚物をそのままにした手術方法では根本的な治 癒は望めません。リーマなどの破折や弯曲根管で根管治療が不可能な部位では、適応症となる 場合もありますので、歯根端切除の全てを否定するわけではありませんが、原因を残して病巣だ けを摘出する処置は絶対に行うべきではありません。