総合概論

症例1・2
歯根の亀裂と穿孔
【リーマの破折】
リーマの破折だけなら症状もなく長年機能。これに穿孔や亀裂が加わると再起不能
歯根の亀裂と穿孔
【リーマの破折】
破折したリーマを取るために穿孔? 穿孔部が2箇所もあるので近心根はヘミセクション

 河田歯科医院には毎日のように遠方からの患者さんが来院されています。その理由はおそ らく「大学病院をはじめ、他の医院では治らないモノが治る」からでしょう。全てとは申し ません。歯の形態や技術の限界がありますので治癒率は90%〜95%です。但し治らないモノ が90%以上治るのだから価値は十分あると自負しています。
 中には反対に、長年保存を試みてきた歯に対して「治療の見込みなし」という診断を下し て抜歯を勧告するケースもあります。遠方からわざわざ来院されて「治療の見込みなし」で はさぞやガッカリされることでしょう。しかし見込みもないのに無駄な時間を費やすことに 終止符を打つことも価値ある決断だと思います。例えば症例1・2の様な場合、抜歯を 避けたい一心で駈けずり廻っている間に、周囲の虫歯がドンドン進行して抜髄の危機が迫っ ています。抜髄した為に悩みを抱えたのに、新たな火種を増幅させているのです。一刻も早く、 気持ちを切り替えて同じ過ちを繰り返さないことの方が重要です。

 お断りしときますが、これは決して患者獲得の為の自慢や広告ではありません!!
同業者であれば簡単に判ることだと思いますが、“根管治療”ましてや誰がして もてこずった根管治療です。先進諸外国で10万円(日本でも自費専門の医院だと同程度)、 の治療を3時間も4時間もかけて保険で1万円足らずの費用で治療することがどれ程不採算 な治療であるか考えてみて下さい。結果が良ければ感謝はされますが、ダメだったときには 強烈な非難を戴くこともあります。このようにプレッシャーが大きく、不採算な処置には できるだけ関わりたくないというのが私の本音です。