磯釣りの話を聞きながら、いずれ自分も社会にでればもっと本格的に行くものだと思っていました。
ところが、大学の医局から尾道に派遣されていた頃、「瀬戸内海の鯛釣り」の手ほどきを受け、
それ以来、狙いはいつも真鯛一本です。
もう10年以上前になりますが、舟を出すたびにキロ級を頭に2ケタ位の鯛が釣れました。
姫路に開業して4年目に釣り船を購入しましたが、
家島
近辺の情報もなく、まずは場所探しの
意味で磯の小魚を釣ること1年、たまに鯛を狙ってみるものの10センチクラスがポロポロ。
しかし、朗報はその翌年の10月、いきなり34・33センチの鯛を頭に20センチ級が20匹。
エサは午前中になくなり、船の活巣は真っ赤。
この大漁以来、晩秋のシーズンには毎年サクラ色の王様を求めて舟を出しています。
「先生、何を釣りに行くんですか?」
「家島に鯛を釣りに」
「鯛って、
チヌのことですか?」
よくある会話です。家島で鯛。どうも嘘か幻のように思われていますが、実際に居るんです。
それも50センチ級が…。漁師の話しでは、定置網には80〜90センチクラスも時々入っているそうです。
そのほかにも、アコウ、ヒラメ、チヌ、コチ…全部キロ級です。もちろん年に数匹のことですが、
大物狙いである以上そんなものかもしれません。
興味のある人のために:エサは海エビ、仕掛けはビシ付きの鯛テンヤ、場所はオードの瀬や
デキソーの瀬
のような沖の沈み磯の周辺、水深30〜40メートル近辺の砂と磯との境目。
潮は上げでも下げでも可、家島近辺では潮がよく流れている方がベター。舟は流し釣り。
テンヤ釣りは、尾道でシャクリ釣りとかオブリと言われていますが、こと釣り方以外の方法では、
おそらくこれ程の大物はめったにつれないだろうと確信しています。
このシャクリ釣りをマスターするのには最低2年、まずこの釣り方で釣れることを確信するのに
1年はかかると思います。
漁獲は、さしみ、塩焼き、煮魚、と数と大きさを揃えて家族で2〜3日分。
魚が少なくなったと言われ続けている昨今、むこう20年は絶対安泰な漁獲が期待できそうです。
この釣りを覚えて以来、もう2度と荒磯釣りに行きたいと思わなくなりました。
おそらく20年先も家島で、あのサクラ色の王様をおっかけていることと思います。
今では、この釣りの輪が少し大きくなってきましたが、今後ますます大きくなり、
他の先生方との交流がもっともてるようになることを期待して筆をおきます。