2013年 3月27日発売!!
青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う
赤裸々に語る、停滞した歯科界の問題点

青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う 青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う 歯周病の原因が歯周病菌であるという学説が、今や世の中の常識となっています。
ひとたび定着したパラダイムを変えることは、個人の力がおよぶものではありません。
悩み、もがいていた私に、力と勇気を与えてくれたのが、
尊敬している親友の青山繁晴氏と青山千春博士でした。
姫路の街で一献かたむけながら、歯科界の意識改革にぜひ力を貸して欲しいという話になったのです。
ご夫妻が、「国益のため、人類のため」とこころよく引き受けてくれました。

青山 繁晴氏との対談

美しい大都会東京を一望するお台場で、熱く語った情熱が一冊の本になる。

青山 繁晴  河田 克之 共著

全国書店にて一斉発売 
  ワニプラシス   定価1300円(税込み1365円)


青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う 青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う
2013.3.27 発売初日の記念写真

パラダイム( paradigm)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の 価値観など、誰もが常識と思っている事柄のことです。例えば、地球が平らだと誰もが信じて疑うことのなかった 時代がありました。時の流れと、科学の進歩にともない、現在では地球が平らだと思う人はいません。
日本が資源小国だと誰もが信じて疑うことのなかった20世紀、21世紀を迎えて、そのそのパラダイムが崩れ去ろう としています。この劇的な変化をパラダイムシフト( paradigm shift)といいます。青山千春博士の日本海 におけるメタンハイドレートの発見により、資源小国から資源大国へと180度価値観が変ってしまいそうです。

歴史的にみれば日常的に起こっているパラダイムシフト。人類は、このパラダイムシフトを繰り返しながら、 より真理に近い方向に進化しているといっても過言ではないでしょう。起こってしまえば、必然と誰もが納得 するパラダイムシフト、それがささやかな事柄であっても、費やされるエネルギーは膨大です。時には、多くの尊い 命を賭けても届かぬこともあったでしょう。

盟友青山繁晴氏も、このパラダイムシフトに挑む、誇り高き戦士です。氏の言葉を借りるなら、既得権益との 戦いです。愛する祖国を命を賭けて闘う姿は、多くの国民に勇気と希望を与えています。氏の講演会に漂う熱の こもった独特の雰囲気は、みる人の心を揺さぶります。言葉の一つ一つに情熱を感じます。同じです、ともに 過ごした思春期の言葉と。豊かな表現力、過激な言葉の裏にある愛情あふれる想い。

人格が形つくられ、価値観が定まってくる思春期。中学・高校時代の想い出は、常に氏と一緒でした。クラブ活動、 エレキバンド、そしてサイクリングなどなど。氏の主張に深く共感できるのは、至極当然のことなのかもしれません。 半世紀の歳月を経て、少し遠い存在になっていた青山氏と、再び行動をともにできる機会が与えられたことは、 人生最大の幸せです。対談から始まって、原稿が進んでいくなかで、氏の才能を改めて知る一方で、友情と思いやり が心を揺さぶる日々の連続です。過密なスケジュールを裂いて、注ぎ込んでくれた作品が、一人でも多くの方々の 手元に伝わることを望んでやみません。

歯科界に住み着いた巨大なパラダイム。虫歯の原因が虫歯菌であり、歯周病の原因が歯周病菌であると誰もが信じて 疑わない常識として定着しています。全ての研究と治療、そして保険規則なども、全てそのパラダイムを前提として 動いています。その前提が正しいのであれば、歯科医療は多くの恩恵を人類に与えてくれるはずです。その結果が、 現在の状況であって、それ以上の恩恵がないのであれば、20世紀を生きてきた私たちはこれからも同じ道を歩むしか ないのです。ところが、それ以上の成果をもたらす手法とか考え方が登場したときに、どのように対応すべきか は歴史が物語るところです。永遠の真理などこの世に存在しないのかもしれませんが、より真理に近いパラダイムは 必ず存在するはずです。

かつて医学は臨床の中から多くのことを学び、そして仮説をもとに数々の実績を積み重ねてきました。日常の歯科臨床 には未解決、説明のつかないことが多すぎます。歯がしみる、根っこの部分が磨り減った、原因不明の歯髄の死などなど。 原因が特定されないまま、とりあえずの改善策としての治療が日々行われています。原因の除去こそが医学の原点であり、 原因の特定こそが最優先されるべきことのはず。その道しるべに、青山氏の鋭い視点が次々と突き刺さる、痛快とも いえる作品です。

青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う

青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う
2012年 夏
48年の歳月を経て

青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う
2012年 夏
還暦を迎え、旧友と再会
青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う
2012年 夏
瀬戸内海の小さな小島で生魚料理
本書出版の趣旨

国民皆保険制度の下、全国の歯科医院で行われている歯のケアは、再発を防ぐという観点から、歯周病治療後のメンテナンス という位置づけです。従って、あくまでも手術を含む歯周病治療を行った場合にのみ適応されます。しかも、患者さんのニーズ や実態とは大きくかけ離れた規則に縛られ、厳しい保険審査の対象となっているます。普及率がわずか2〜3%程度という 数字が物語っているとおり、事実上、実践したくてもできない仕組みになっています。

国民の健康を優先するのであれば、子供のころから、全ての国民が月に一度のプロフェッショナルなケアが受けられる制度の 構築が望まれます。もしこれが実践されたならば、歯に対する不安や不満が解消されるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、 肺炎、糖尿病、アルツハイマーなど、全身の健康を左右する病気の発症を最小限にとどめる効果も期待できます。 夢のような話ですが、間違いなく「健康王国・日本」が誕生することになるでしょう。

この夢のような話が実現されない背景には、国民の健康に対する意識や制度などの問題もありますが、最大の要因は歯科界 の体質にあります。歯周病が口腔常在菌による感染症であることは分かった今、どのように対策するかを議論しなおす必要 があるのです。常在菌による感染が成立する原因は、異物の存在であるという考えが医学界の常識となっています。この 医学常識を歯周病にあてはめると、歯槽骨周辺(歯周ポケット内)に存在する、歯石をはじめとした諸々の汚物こそが異物 であり、歯周病(歯槽骨破壊)の原因であるという結論にたどりつくはずです。

常在菌である歯周病菌の撲滅を図る歯科界では、歯石をはじめとした諸々の汚物には病原性がないので除去する必要がない と考えられています。その結果、何らの成果がえられないまま半世紀をムダにしたと言っても過言ではないでしょう。
痛み≒炎症 炎症=異物を排除するための生体防御反応 常在菌による感染成立の原因は異物の存在
これらの医学常識を受け入れることが根本的な解決に繋がるのです。その道筋を示し、議論の起爆剤となることを願って 本書を世に送り出すことにしました。

青山繁晴、反逆の名医と「日本の歯」を問う

ルーツは医学

本には4代前から医者と書いていますが(第6章)、その前は岡山藩の御殿医だったそうです。何代続いたか分かりませんが、 医者のDNA は相当強そうな気がします。祖父:河田 豊(右写真)は、子供たち(私の父や叔母)に顕微鏡を使ってプラーク 中の細菌を見せていたと言いますから、虫歯菌や歯周病菌のことは当然知っていたと思います。

「医学の基本に沿った内容で、読んでいて違和感がなかった」との書評を従兄弟の小児科医(額田 成)からいただいています。 「話の組み立てやテンポも良かった、さすが青山繁治さんですね。これから書く本の参考になった」との言葉もいただきました。 彼もすでに何冊かの著書を持つ有名な小児科医です。

明日全国の書店に並ぶことになっていますが、より多くの人に知っていただいて歯の健康を議論することができれば、 歯の寿命を劇的に延ばすことができる社会の仕組みができていくはずです。

河田 豊


ノーベル賞候補だった友達

神戸新聞 2013/4/30 04:10 新たな抗がん剤の候補物質発見 神戸大など

大腸がんや膵臓(すいぞう)がんなどの原因となる遺伝子が作るタンパク質「Ras(ラス)」の働きを止める物質を、 神戸大大学院医学研究科(神戸市中央区)などのグループが、兵庫県佐用町の大型放射光施設スプリング8を使って発見 した。Rasはがん患者全体の約2割で活性化するとされ、この物質の働きを利用した新薬が開発できれば、最も幅広い がんに効く可能性がある。成果は米科学アカデミー紀要電子版に近く発表する。

 がんは、変異した遺伝子が作るタンパク質が活性化し、細胞が異常に増殖してできる。Rasの活性化は、大腸がん の4〜5割、膵臓がんの6〜9割をはじめ、肺腺がんや皮膚がんの一種のメラノーマなどでも確認されている。しかし 従来、Rasの働きを止める方法はなかった。

 グループは、世界最高水準の解析能力があるスプリング8を使ってRasの構造を調べ、薬剤と結合しやすい“鍵穴” を発見。さらに鍵穴と合う化合物を約4万種類の中からシミュレーションして絞り、実際に結合させて抗がん作用を確認。 薬剤候補の3種類を特定し、「Kobe(神戸)ファミリー化合物」と命名した。

 ヒトの大腸がん細胞を移植したマウスに神戸ファミリーを投与した結果、投与しない場合に比べ、がんの大きさが半分 程度に抑えられた。

 今後は抗がん作用を一層高め、毒性の有無を確認して新薬につなげたいという。研究の中心となった同研究科の片岡徹 教授は「3年後を目標に、ヒトへの応用を目指した臨床試験を始めたい」と話す。(金井恒幸)

今回の発見で、改めてノーベル賞候補になってくれたら嬉しいです。

片岡徹教授