このコーナーでは、日常臨床で疑問に感じた事例を紹介します。

根管治療の実態 U



日本臨床歯内療法学会の会員1,250名を対象にアンケート調査
平成10年2月2日から7日の間について、以下の項目をアンケートしました。
@1日ごとの診療人数
A新患人数の中で抜髄は何人か
B歯髄処置とか根管処置がされていない感染根管治療は何人か
C他の病院で治療(根管充填)をしてきたが新患として来られて再根管治療せざるを得ない方は何人か


開業医の先生のところでは1日平均で,総 診療人数17.7人に対して,抜髄が0.7人,感染根管治療が0.9人,そして既根管充填歯の 再治療が1.2人でした。歯内療法に関係した処置の中で一番多いのは既根管充填歯の再根 管治療で,割合としては6.8%を示していました。

もちろん,このアンケートの対象者が日本臨床歯内療法学会の会員で歯内療法に関心を特に お持ちの方回収率が27.7%であったこと,そして歯根形態の複雑さによる根管治療そのものの 難しさを考慮しなければなりません。しかし,このアンケート結果は,1つの現実ではないかと 思っており,この現実に真筆に向かいあい,大学だけでなく臨床の現場においても改善の 努力を行っていく必要があると思います。

日本歯科医師会雑誌 Vo1.51 No.21998ー5


皆様からのご意見を掲示いたします

日付、時間: Tue Sep 11 18:07:18 Japan 2001    氏名: KN   
所在都道府県:兵庫   職 業:会社員   年 齢: 34歳      性別: female  

質問:
根管治療を始め早や六ヶ月、小さな痛みが残り治療が終わりません。妊娠の計画が あるため困っています。こんなに時間がかかるものでしょうか?
また妊娠しても治療は続けてよいのでしょうか?
一度治療を中断してから妊娠するべきでしょうか?

回答:
 根管内の清掃が完璧に行われた段階でのみ治癒が成立します。6か月経って完璧な清掃が 行われていないということは、炎症が慢性化して一時的に痛みが遠のくことはあっても根本的 な治癒は見込めないように思います。
根の方に問題があるか、技術に問題があるかは分かりませんがこのまま治療を継続すること には疑問を感じます。
 妊娠に関しては、それ程過激な治療でもないので過度な心配は無用です。