歯槽膿漏の原因究明
日々研究は進歩しているけど、何時になったら解決する?


歯槽膿漏の原因究明  歯槽膿漏発症のメカニズムは細菌などの侵襲因子と、それを防御する側の感受性の違いによ り説明されるのが一般的です。
炎症が発生する条件が整った場合、例えば糖尿病の人は簡単に歯槽骨の破壊が進むのは感受性 の違いによるものです。この感受性の違いを遺伝子学的に解明しようという試みは今後に期待 する研究ですが、今の所十分な成果があがっているとはいえません。

 一方、炎症発生に重要なかかわりをもつ細菌についても世界中で数十年間研究され続けてい ます。原因となる菌種を特定して、有効に排除しようという試みです。徐々に成果をあげてき ているようには報道されていますが、ちょっと変だと思いませんか?  最近の話だとエイズやSARSのように短期間で原因であるウイルスが特定されて有効な手 段も開発されています。大きさでいえば10倍から100倍も大きな細菌が特定されないことを別 の角度から見直す必要があると思います。私は「特定されるべき特定の細菌は存在しない」と 結論をだしています。

 体内に普通に生息している常在菌が、特殊な条件が整った場合に炎症を起こすことを日和見 感染と言います。実は歯槽膿漏はこの日和見感染だという結論は古くから歯科界にも定着して います。それならば、常在菌が炎症を起こす特殊な条件というものを見つけ出して排除する方 法を研究した方が正しいと思いませんか?

 歯石の存在だけが全てではありませんが、この特殊な条件の最大要因は間違いなく歯石です。 歯石に限らず、生体にとって異物である汚物や金属を特定して排除する方向に研究が進めば、 現代科学の力をすればすぐにでも解決することが多いと思いますが、残念なことに研究の方向 が誤っているために一向に成果が現れないことは人類にとって大きな損失だと思います。

      2003.6.21.


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