このコーナーでは、日常臨床と私生活を通して感じた事例を紹介します。

アメリカの常識
アメリカ

アメリカ 「日本に来て、歯の検診やメインテナンスをしてますか?」と日本在住のアメリカ人に質問 してみました。
「年に2・3回は歯医者さんに行ってるわよ。どうして?」
「ウン、日本人の歯ってギンギラギンで汚いと思いませんか? 日本には定期的に歯の検診や メインテナンスを行なう習慣がないんですよ」というと彼女は驚きの声をあげました。
「エーッ 日本人は歯の検診をしていないの?!」

 日本のように公的保険が発達していないアメリカでは、民間の保険会社が病気に対する 保険をカバーしています。そして、歯科の保険に関しては、年2回の歯科検診を義務付けて います。この検診を受けていないといざトラブルが生じたときに保険が効かないという仕組 みです。
 民間会社ですので当然のように利潤を追求します。検診といっても歯石除去も行ないますし、 むし歯があれば治療もするでしょう。それらを含めて年2回の検診費用を支払っても、トー タルでは出費が少ないということのようです。これはおそらく歯科疾患だけではなく全身疾患 を含めて会社に利益をもたらすという結論がでているのだと思います。

 保険会社は利益の追求かもしれませんが、これを個人のサイドからみたらどうでしょうか。 メインテナンスと細かなむし歯治療を積み重ねることで、大掛かりな歯科治療を回避できる だけでなく健康な歯を生涯保つことができるということです。その結果、重篤な全身疾患をも 未然に防いで大きな出費もなく健康な人生を送ることができるということを意味します。

 それにしてもアメリカ人の英語は聞き取り難い!!


 公的保険が発達していないアメリカでは民間保険が主体。契約内容毎に対応が異なるので 一律な評価はできないけれど、月々700円程度の保険料で年2回の検診が無料というような 契約はちょっと魅力的。最も何か異常が見つかってレントゲンを撮るとか治療をするとなる とちょっと恐ろしい現実が待ち受けているみたいです。アメリカに限らないけど、歯科の診 療科が複数に分かれているのは患者さんにとってはとっても不便なシステムのようです。 いずれにしても、検診や予防的処置に重点がおかれているところは十分評価できます。
2004. 1. 9.