七宝焼きの原理で、金属に陶材を焼き付けた"かぶせ"で主に前歯に使います。保険が効かない
ために1本・7〜10万円もする高価な補綴物ですが、操作性・安定性の良さから圧倒的な支持を受
けています。世の中に登場して20年以上も経過しており、安全性も含めて臨床評価は他の補綴物を
寄せ付けない地位を保ち続けています。
おそらく日本中の歯科医でメタルボンドの出来ない人は皆無だと思います。
このメタルボンドが保険に導入されればどれくらい多くの人が喜び、またどれくらい多くの症例が
快適に・永く機能すたかは計りしれません。しかるに、このメタルボンドは永遠に保険導入される
気配がないのです。自費で収入を確保しようとする歯科医師側と保険医療費を抑制しようとする
厚生省や保険組合などの意見が変に一致して一向に進展は見られません。まったく国民不在の
決定としか言いようのない状態です。都道府県別では、唯一北海道の歯科医師会だけが導入を
要請しています。
新しい新薬や術式が即座に保険導入されないのは、いたしかたのない事だと思いますが、これほど
永い実績をもつ術式が保険導入されないのは"国民皆保険"の趣旨に反することではないでしょうか?
また、歯科医師側もいつまでもこんな古い術式を後生大事に特殊技術呼ばわりしないでもっと新しい
技術や術式に活路を見出すべきだと思います。
保険規則の問題点/メタルボンドについて
質問:
歯科医に、12万円のメタルボンド治療を余儀なくされた。奥歯の治療にメタルボンド
は使用されないのか?神経をすべて抜いた場合、メタルボンドの治療は必須なのか?
メタルボンド以外の治療はないのか?(保険が適用される材質等)
回答:
メタルボンドの12万円は、東京では相場のようですね。メタルボンドは審美性の回復には
最善の方法ですが、“強度と厚み”の問題があって大臼歯部にはあまり使用されません。ただ、
状況によっては大臼歯であってもメタルボンドの適応となる場合もあります。
神経を抜いた歯は、変色したり脆くなるので何らかの形で被せた方が無難なケースが多い
ようですが、レジン(プラスティック様の詰め物)やインレー(金属の詰め物)での回復が可能
な場合もあります。いずれも保険適応です。また、被せる場合でも、前歯なら硬質レジン前装冠
(メタルボンドに類似するが耐久性にやや難)、小臼歯以降なら銀歯(審美的に難)が保険適応
になっています。
保険規則の問題点/メタルボンドについて
ご意見・ご感想:
現在治療中です。10年ほど前に保険治療した前歯も変色しているため近い
うちに治してもらいます。あるHPで「エスタニア」という素材を見たので、今日先生に聞いてみまし
た。それで、同じような物ですが・・とメタルボンドを知りました。。。保険外の材料であるポーセレン
と保険のプラスチックとの中間にある。。と見たため、もう少し安いのでは?と素人ながら思いまし
た。
丁寧に説明して頂き、「うちでは1本6万3千円ですが、安目だと思います。HPで調べてもらって
も良いですよ」と言って下さり、こちらへ来てみました。 えっ?12万!!こんなに違う物なんで
すね・・・驚きです。前歯ですが仕方がありません。こんなに高いのなら払えませんし・・・ぜひ、保
険適用になって欲しいですね。
一言:
税制にも問題があります。「保険外診療の必要経費は3割」と規定されています。ということは、
必要経費の3倍の価格にしないと余分な税金を支払うことになります。1.7倍程度ですと儲けはゼロ。
保険外診療が高くなる理由はここにあります。強制的に徴収した保険料だけに、速やかな保険導入
が望まれます。