私も歯周病の専門医の一人ですから、歯周疾患治療を進めていく上で
歯周疾患の検査が重要であることは認めます。
「歯周疾患治療は、検査結果を基に治療の効果を見極めながら次の治療方針を決定する」とされて
います。異論を挟む余地のない美しい表現です。ここに表現されている通り日本中の歯医者が
歯周疾患治療を行ってくれれば歯周疾患撲滅も間近と夢を描いてしまいます。
ところが実態は、撲滅どころかますます国民病として広がりつつあります、
"検査結果を基に"の文言のために!!
「半年ぶりに歯石を取って下さい」
「最近、歯茎から出血が・・・」
と言われても簡単に歯石はとれません。患者さんの嫌がる検査(痛い・費用が高くなる)をしてから
でないと歯石を取ってはいけないのです。
「時々歯石を取りにきます!」
とっても良い心がけですネ。でもそのたびに検査をしなくてはいけないのです。
「アラ、まだ歯茎が腫れてる。しかも歯石がのぞいている」
これでも検査をしないと歯石はとれません。
厳密に言うと、歯石をとっても構わないのですが報酬はゼロです。
ゼロと分かっていても(検査が)面倒な時には黙って取ります・・・仁術か!!
それともう一点。この歯周検査が審査の道具にされています。
"検査がない"は勿論、検査の細かい記載ミスを見つけては診療報酬を不正請求の烙印と伴に
没収しています。
歯周疾患の治療をすればする程、肩身の狭い思いで診療しなくてはなりません。
"歯石を取ってくれない""歯槽膿漏の治療をしてくれる歯医者がいない"
のはこんな理由があるからです。