「永久固定は現段階では認められない」この規則が定められて数十年。
この規則が歯周疾患の治療を実質上不可能にしていると言っても過言ではない。歯槽膿漏に悩んで
おられる方のほとんど、また40歳を過ぎて歯科治療を受けておられる患者さんの大半がこの規則に
抵触するからです。
国民皆保険の下、強制的に健康保険に加入させられている状況で、「通常必要な治療は全て保険
でできます」と豪語している厚生省ですが、いまや国民病とも言える歯周疾患の重傷部分のほとんど
が保険でできないのが実態です。
確かに軽度なものは、非常にうるさい規則があるものの何とか治療が可能です。ところが、重傷な
ものとなると永久固定(連結固定)は不可欠です。しかも、永久固定にあたるか否かの明確な
基準は何も示されていません。現場の歯科医師とそれを審査する審査委員の判断一つでどうにでも
解釈できるのです。
「歯槽膿漏の治療に何十万・何百万円請求された」という患者さんからの苦情の元凶はここ
にあります。私のように極力保険で歯槽膿漏の治療をしようとすると、厚生省(実際は審査委員会)
から保険医取り消しを盾に執拗な(不当な)指導を受けるはめに追い込まれます。
社会秩序を維持するためには規則が必要です。また私たち国民はその規則に従わねばなりません。
しかし、不当な規則を排除したり改善する機会くらい与えて頂きたいものです。
ご意見・ご感想:
保険規則の問題点/永久固定について
4年ほど前、歯茎全体がニブイ痛みがするので診察してもらった。歯茎にゲージの様なものを当てて 検査するのですが、大変痛かったのを覚えています。数日後、検査結果を聞く為に歯科医をたずね ました。説明によると歯槽膿漏が進行しており手術が必要といわれました。治療費はいくらかかるの かたずねると30万円(患者の実費)かかりますといわれ、びっくりしてやめました。その後、5本の 歯が抜けました。そして今もグラグラ進行中!・・・総入れ歯の方が安いかなと思って治療して いません。
コメント: 3割負担として、全顎の手術と補綴処置をすれば約20万円程度の費用が必要です。 4年間で5本抜けたとのことですので、かなり進行しているように見受けられます。「このような 状況では、かなり保険の効かない部分が必要でしょうね」というのが今の保険制度です。 高い保険料を払っているのに、いざ歯槽膿漏に気づいた時には保険が使えないのは“詐欺” みたいなものですね。