情報隠蔽?
保険制度が足かせ?
このメッセージは、小泉首相宛に送ったメールの全文です。


拝啓 内閣総理大臣 小泉純一郎様

 社会構造からくる閉塞感から日本の政治に失望している国民が、「痛みを伴ってもヤルべき ことはやる」という総理の姿勢に絶大な支持を表明しています。一歯科医として開業している 私も総理の行動力に期待する一人です。

 “8020(ハチマル・ニーマル)運動”と称して日本歯科医師会と厚生省は、80歳になっても 20本以上の歯を残すためのキャンペーンを繰り広げています。国民にとってはありがたい 活動だと私も評価しています。
 しかし、“絵に描いた餅”の如く達成はおぼつかないのが現状だと認識しております。然るに 秘策が無いわけでもありません。“歯磨きだけでは守れない…歯磨きの延長として歯科医院で 定期的に歯石を取る習慣を身に付ければ驚異的な成果が期待できます”

 残念なことに、この意見がクローズアップされることはありません。5年程前当時の日本歯周病 学会理事長:池田克巳教授、そしてつい先日、日本口腔衛生学会理事:安井利一教授に具申した ことがあります。「本気で国民の歯を守る積りなら、何だかんだというよりも結局、毎月患者さんを 医院に来させてスケーリング(歯石の除去)を行えば確実に目標が達成されます。厚生省の役人 に是非提案してください」と。
 「厚生省も本当は分かっているけど、それは厚生省の方針に反します」という全く同じ返答が帰っ てきました。確かに国民全体が毎月歯科医院に行って歯石を取る習慣を実行したとすれば、1回 ¥3000円としても莫大な費用がかかります。まして医療保険制度が破綻寸前の状況で、この事実 を公表したとすれば現在の保険制度を維持することを危機にさらすことになるかも知れません。

 国民の健康を増進させることが厚生省の役目でありながら、保険制度を維持を優先して事実を 隠したり直視しないことは、まことにゆゆしきことだと思います。まず、「歯の健康維持にこの ような有効な方法があります」という事実を明らかにした上で、「ご存知のように保険財政が緊迫 している状況ですので、今すぐ保険適応というわけにはいきませんが」という理解を求めるべきで はないでしょうか。
 現実は、事実を隠すだけに留まらずこの有効な手段を封じ込めています。「通常必要な医療は全て 健康保険でカバーしています」というアピールとは裏腹に、毎月の歯石除去は保険で認められて いません。患者さんが毎月歯石を取ってくれと求めても、(保険で認められていないので)医院の窓口 で断られてしまいます。稀に「保険外で¥3000円頂きます」という対応される医院もあるようですが、 「えっ、保険が効かない!」という驚きから医院に対する不信を植え付けてしまいます。
 せめて、保険適応でない事実だけでも公表していただければ、それだけでも助かる患者さんや 歯科医が多くいるはずです。

 本来、国民の健康を守るべき保険制度が健康を損なうようなことがあってはならないと思います。 歯の健康は、全ての国民の願いです。健康な歯は、健康な体の入り口であり国の財産です。総理 の行動力をもって、国民の健康を築いていただきたいと心よりお願い申し上げます。

      2001.5.12.


 このメールに託した願いが小泉総理に届いたかどうかは定かではありませんが、2002年4月の 保険制度改革により、歯周疾患のメインテナンスが大幅に改正され“毎月の歯石除去”が“まる め”という形で保険導入されました。

 従来、最大260点(1点=10円)であった毎月のメインテナンス料が、歯石除去や諸々の処置 を含めて最大700点(残存歯数により異なる)という過分とも思える高点数で導入されました。 これにより経営的にもメインテナンスが十分採算の合う治療行為となり、序々にではあると思い ますが全国の歯科医院に浸透していくものと思われます。  患者さんにとっては3割負担の場合毎月¥2000(最低は1割負担で¥400)もの出費が必要です が健康をお金で買うという観点からは十分値打ちのある出費だと思います。現在は厚生省による 初期誘導作戦として高額設定になっておりますが、長い目でみると落ち着くべきところに落ち着 くだろうと推測しています。

 この制度をできるだけ活用して、歯槽膿漏や銀歯から開放されることを心より願います。

      2002.4.19.


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