見せかけだけの行政
「歯槽膿漏は国民病、健診制度を設けて」とPRしているが…
2001.6.13. 国保連合会(保険の審査機構)を通して姫路市から指導・要請がありました


6月4日(ムシ歯月間を迎えて)

 姫路市ではムシ歯月間を迎えて40歳と50歳を迎える全市民を対象に、歯槽膿漏の健診を実施 することになりました。健診を機会に歯槽膿漏の治療を受けて健康な歯を守ろうという美しい取り 組みです。
 健診の費用は¥1300円の自己負担で残りは姫路市が支払うという何とも優しい制度の始まり です。今の所健診に来られた患者さんは1人だけですが、40歳を越えて歯槽膿漏のない人なんて いない現状で、健診を受ければ治療が必要になることは明白です。健診の負担金を支払って、 通常の治療に移行してそこでも検査をしなくては治療が出来ない規則になっていますので、結局 単純に歯槽膿漏治療を希望して来院された場合よりも、健診費用だけが余分な負担になってしま います。

 行政の無駄遣いはさておいて、歯周疾患抑制に必要な処置はスケーリングを続けることです。 余計な処置は不必要、ただひたすら毎月歯石を取り続けることで歯肉の健康が確保されるわけ ですが、これを一般保険診療で行うと、カルテ上(保険請求上)毎月同じ処置の繰り返しになって しまいます。保険のしんさでは“同じ処置の繰り返し”を極端に嫌います。工夫のない無駄な治療 と頭ごなしに決め付けてきます。それが、本日国保連合からの指導ということになってしまいまし た。
 「工夫のない、無意味な同じ処置を繰り返さないで」という内容ですが、こんな指導があってはま ともに毎月のスケーリング続行は不可能です。「少々の処置は再診療に含まれる」という規則 (まるめ)もあって(治療してもお金がもらえないという不満があるのに…)、確かに保険請求は ワンパターンになりがちです。

 ためにならない見せ掛けだけの健診を市民にPRしておいて、実質的な抑制処置を出来なくなる ような指導をする。なにとも日本の行政は進歩のないことを今日も実感して情けない気分です。


      2001.6.13.


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