歯槽膿漏の医療現場
50歳くらいまで保ってくれれば…


歯の寿命
成人の歯の平均寿命をみると、最も長持ちする歯が下あごの前歯で約66年、 逆に最も早く失われるのは下あごの奥歯で約50年です。永久歯がはえる時期が5歳から10歳で あるとすると早い歯は59歳で、最も寿命の長い下あごの前歯でも76歳で抜けてしまうことにな ります。
☆定期健診と歯の寿命
歯の寿命
 20代や30代の患者さんが歯科医院を訪れて「歯槽膿漏は大丈夫ですか?」と歯科医に尋ねて も、「大丈夫ですよ」という答えが返ってくることが多いと思います。その結果、10年ほどして 取り返しのつかない程の歯槽骨破壊が進んでしまったという例を多く耳にします。歯槽膿漏に関 しては、“末期状態にならないと気がつかない”のは案外患者さんよりも歯科医の方かもしれま せん。

 “所詮歯の寿命は50〜60年”という現実を一番知っている歯科医は、それよりも早く喪失しそ うな歯については何とか延命治療を試みようとしますが、その兆候がハッキリみえない歯につい ては何らの手立てを加えない傾向があるように思います。その裏には「結局何をしても無駄」と いうあきらめの気持ちもあるようですが、果たして有効な手立てはないのでしょうか。
 私は毎月の歯石除去を中心としたメインテナンスが如何に有効であるかをあらゆる機会に申し 上げておりますが、これは特殊な発言ではなく多くの公的な統計にもハッキリ示されています。 手法や考え方に多少の違いはあるものの、これだけ有効な手段が明示されているにも関わらず、 一向に成果が挙がっていない現実を早急に改善する必要があると思います。

 患者さんや歯科医の意識、保険制度の問題点を浮き彫りにして、一刻も早く「歯の健康王国」 樹立を実現したいものです。

      2003.6.15.


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