転げ回るような痛み、鬼の撹乱、そんな表現がピッタリの究極の痛み。それが歯髄炎末期の症状です。
あまりにも炎症が強すぎて、腫れ物に触る所の痛みではありません。
麻酔の痛みもさることながら、いくら麻酔をしても効かず、仮に効いてもすぐに覚めてしまう、
手に負えない状態です。(麻酔が下手な訳ではありません)
炎症があまりにも激しい場合、抜髄処置をは中止する事もあります。その場合、
歯髄の鎮静を目的として、亜砒酸を貼薬します。
亜砒酸は、従来から抜髄時に用いられている神経を殺す薬です。
従来、何回も薬を塗って神経が完全に死んでから、残った腐敗物を除去していました。
うまくすると、全く痛みが無く神経が取れるのですが、何しろ薬が歯の神経は勿論、
何でも生体組織を腐らせる劇薬ですから少し効きすぎると顎の骨まで腐らせます。
痛みが取れたからと治療をさぼるとたちまち顎が痛みだします。
当院では、神経が完全に死ぬ前に(2日後くらい)に改めて麻酔をして神経を取ります。
次回は、炎症も治まっていますので、初日みたいな痛みはありません。それより、
期日を守って必ず来院して下さい!