生体は外から浸入する異物や体内に生じる非自己を認識し、それを排除しようとする防御機構を
もっています。この生体防御の担い手は免疫系ですが、この免疫反応が過剰になると、本来自己
を守る免疫系が逆に生体を傷つけることになります。このように免疫応答の結果、組織障害や生体
に不利な事態が生じることをアレルギー(allergy)、あるいは過敏症(hypersensitivity)と呼んでい
ます。
アレルギーは、発症機序の違いによりT〜W型に分類されています(クームス分類)。
クームス分類 | T型 | U型 | V型 | W型 |
時間経過 | 即時型 | 即時型 | 即時型 | 遅延型 |
反応の種類 | アナフィラキシー反応 | 細胞溶解反応 | アルサス型反応 | DTH 反応 |
反応の担い手 | IgE | IgM・IgG | IgM・IgG | T リンパ球 |
発症に関与する細胞 | 肥満細胞 好塩基球 化学伝達物質 |
補体 K 細胞 マクロファージ |
可溶性抗原 免疫複合体 補体 |
マクロファージ サイトカイン |
代表疾患 | アナフィラキシーショック 気管支喘息 花粉症 蕁麻疹 |
不適合輸血 新生児溶血性貧血 自己免疫性溶血性貧血 |
血清病 急性糸球体腎炎 自己免疫性疾患 |
接触性皮膚炎 血管性肉芽腫 |
一般にアレルギー疾患といえば、反応自体が生体に障害を及ぼす疾患の総称です。歯周疾患
や歯槽膿瘍形成に関与するアレルギーは、W型(遅延型)に属する反応で、抗原による刺激で抗
原特異的 Tc (キラー T細胞) が誘導され標的細胞が破壊され、その結果起こった炎症反応だと
思います。