痛みを発症する時期によって炎症発生のメカニズムがことなります 地球環境  
抜髄後の痛み

 歯の神経を取ったら絶対痛まないと思っていらっしゃる方が非常に多いように思います。 抜髄直後・抜髄後数週間・抜髄して数年後、と痛みを発症する時期によって痛み(炎症)発生 のメカニズムがことなりますのでそれぞれについて説明いたします。

抜髄直後の痛み
 抜髄直後の痛みは単純です。抜髄…つまり歯の神経を根尖部付近で切断して除去する医療 行為ですね。神経を切断するわけですから切断面に外傷性の炎症がおこります。抜歯と比較 してみてください。歯を抜けば歯の神経も切断→除去されているはずですが切断面を含む抜 歯面に外傷性の一過性炎症が起こって痛みますよね。それと同じ、歯および神経を取っても 周囲の骨内には神経が通っていますので当然の如く痛みを感じます。
 抜歯の場合には確実に神経も除去されていますので2〜3日もすれば外傷性の炎症は治ま ります。抜髄にしても完璧に神経が除去されていれば痛みを全く感じないか、2〜3日も すれば痛みは消失します。

抜髄後数週間の痛み
   抜髄前から痛みのあったケースも、痛みがなかったケースもメカニズムは同じです。何ら かの原因により神経が完全に除去されていないために、残った歯髄(有機質)が腐敗して行 く過程で炎症をおこしているものと考えられます。根尖部分の神経が取れていなかったり、 余分な神経が1本丸々除去されていないケースが多く見受けられます。
 多くの場合、薬を詰め替えたり(貼薬)、レーザーによる殺菌を試みていrますが、これ は全く?無意味。何としても残った神経を探し出して、完璧に除去することが最善の方法で す。

抜髄して数年後(根管充填後)の痛み
 先の抜髄が不完全なまま根管充填したり、神経を取ったあとの空間(歯髄腔)の封鎖が 不十分、もしくは血液などが混入した場合に起こります。残った歯髄組織・血液・体液など は何れ腐敗してきます。腐敗した有機質くらい汚いものはありません。その腐敗した有機 質は直接周囲の骨組織に触れているわけですから、強い免疫反応が起こり炎症を起こして しまいます。根尖部分の骨組織は破壊されて膿を排出するようになります。これが根尖病巣 の成立です。

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