私の考えでは、歯周疾患罹患部分の象牙質自体が汚染されている可能性もあり、それが
歯周組織の再生を妨げています。象牙質汚染の有無に関わらず、もしエムドゲインが
セメント質を誘導するのであれば、“臭い物に蓋”式にアレルゲンを封鎖しますので、
アレルギー反応を抑制して正常な歯周組織の回復が見込めると思います。
但し!! セメント質が再生したとする実験データの全てが、動物であれヒトであれ
人為的に造った骨欠損で象牙質が健全であることを念頭に入れて置かねばならないことを
忘れてはいけません。これは、メンブレンを使った組織再生法(GTR)でも同様です。
スケーリングやルートプレーニングなど機械的に壊死組織を除去したあとの歯根では長い
接合上皮の深行増殖がみられ、治癒の程度は様々であることから、実際の臨床に応用した
場合の評価はこれからだと思います。