平均寿命が80年を越え、長寿社会を迎えました。その第一の貢献者が医学の進歩であると広く
認識されています。
平均寿命が延びた最大の理由は、新生児の死亡率の低下です。裏返してみると、医学は高齢者に
対してはそれ程大きくは貢献していないとも考えられます。
「最近の年寄りは元気だ」,「最近の年寄りは昔に比べて若く見える」ほとんどの人が
実感しているのではないでしょうか。確かに昔は50歳を過ぎるといかにも老人的な顔貌だったのが
今ではまだまだ若々しく見えます。
このことは、医学の進歩とはほとんど無縁であると考えられます。
一方で程度の差こそあれ、不十分とはいえ現代医学の浸透した発展途上国の老人はどうでしょう。
相変わらず戦前の日本と同様、50歳を過ぎれば老人は老人らしく年老いて見えます。
その最大の原因は、豊かな食生活のおかげだと思います。
栄養価の高い食事は身体の抵抗力を増強し、疾病の侵入を防御するだけでなく、老化を防止します。
平均寿命の脅威的な向上は、この豊かな食生活に大きく支えられていると考えられます。
最近の死亡原因をみると、癌腫,脳卒中,心臓疾患などが上位を占め、太りすぎ、高血圧が
大敵と認識されています。その反省からか粗食を推進している人も見受けられます。
何事も度を過ぎると良い結果が得られません。豊かな食生活がつまらない病気から身を守り
長生きしたからこそ贅沢病ともいえる太りすぎ,高血圧で亡くなったとも考えられます。
現代社会の持つ様々な要因がかかわり合って現在の長寿国日本を築きあげた現状を深く認識し、
極端な社会逃避を避けて現実を受け入れて生活することが健康を維持する秘訣だと思います。
豊かな食生活をするには、歯の健康が必要です。