口腔内で腫れる代表的な炎症としては、歯槽膿漏(辺縁性歯周疾患)や根尖病巣(根尖性歯周
疾患)があります。
現在の(2001年)歯科界は、歯槽膿漏の原因となる原因菌を特定しようとする方向にあるように
認識していますが、個人的見解として、特別な原因菌は存在しない→単なる口腔内常在
菌による日和見感染だと思っています。
糖尿病や血液疾患のような全身疾患・全身的な抵抗力の低下も炎症の成立に大きく関与して
いますが、これらは炎症成立の原因ではなく誘因と考えられます。例えば、歯石やプラ
ーク、根管内の汚染が全くない人は、いくら全身的に抵抗力が低下しても炎症が成立することは
ありません。同様に、同じ口腔内で炎症が成立するにしても、歯石やプラーク、根管内の汚染が
ある部位には炎症が起こっても、無い部位には炎症が成立しません。
炎症が成立する部位とそうでない場所の違いは、歯石やプラーク、根管内の汚染の
ように生体にとって異物と認識されるようなものが存在しています。
異物が存在する周辺ではアレルギー反応が起こり、局所の免疫抵抗力が低下しているために
炎症が成立し易い環境になっているものと思われます。そこに全身的な抵抗力の低下が加わった
時に、激しい炎症(化膿)が成立するのではないでしょうか。