一般に「バイ菌が入った」という表現を使いますし歯医者も使います。しかし、医学的に本当に
正しい表現なのでしょうか?
鋭利な刃物で深い傷を負った時などバイ菌は入りたい放題だと思いますが、現実に化膿する
ことは稀です。反対に小さなトゲが刺さっただけでも結構化膿します。中には“蚊に刺された”だけ
でも化膿する人もいます。同じトゲにしても木切れのような有機質とセラミックのかけらでは炎症の
程度に差があります。この違いは一体何なのでしょうか。
炎症の成立に細菌が関与していることは間違いのない事実ですし、その菌量に影響されることも
事実です。しかしもっと大きな要因は、生体にとってアレルギー反応を
起こすような異物の存在と異物性の強弱が炎症の成立と程度を左右していると思います
。
バイ菌は、口腔内(生体の)いたるところに生息しているわけですから、バイ菌が入って化膿した
というよりも異物が存在するために炎症が成立したと考えるべきだと思います。