歯牙表面に付着するプラーク(歯垢)中にはミリグラムあたり108-9個の
多種多数の細菌が棲息しています(ピンときませんが…)。
また、舌や唾液中にも少々少なくなりますが、ミリグラムあたり106-7個の
細菌が棲息しているといわれています。
ミュータンス菌がムシ歯、偏性嫌気性細菌の数種類が歯周病の原因ともいわれておりまったく
迷惑な存在のように思われていますが、S.sanguis はサンギシンと呼ばれる抗菌物質を産生し、
Lactbacillus の産生する乳酸は口腔内 pH を低下させ、外来性病原細菌の浸入・増殖を防いで
います。
口腔内常在菌を敵視し、病原性のある細菌を排除しようとする動きが強いように思います。
全ての菌腫が拮抗して成立している口腔内細菌叢ですから、その中の特定菌腫を排除するよ
うな発想や治療方法は無意味である以上にもっと恐ろしい事態を招く可能性があるのではないか
と危惧しています。