現代医療をめぐる最大の問題は、医療費は年に1兆円ずつ増えて年間27兆円にのぽり、医療
機器や設備・ドクターの数も世界のトップ水準にありながら、疾病は減らないという矛盾で
す。
その理由は、医療の目的が「疾病対策」に置かれていることです。医者や病院は「病気
を治す」「健康を回復させる」ことが仕事、これが常識でした。国も依然として治療行為に
応じた(歯科の場合は補綴扁重の)診療報酬・医療保険制度を続けています。
この、疾病の『原因』ではなく『結果』に対する治療という考え方を改めない限り、国家予算がどんなに
潤沢でも、ドクターが何万人に達しようと、根本的には何も変わらないでしょう。したがっ
て「予防の時代」の必要性は、すでに多くの人にとっては自明のことかもしれません。
しかも歯槽膿漏の場合、80歳までの間に必ず末期症状に至る現実を考慮すれば、症状を
安定させるメインテナンスは"予防"ではなく"治療"であることを認識すべきだと思います。