歯科治療を行うにあたって、血圧に限らず正常であることが好ましいのは当然です。
身体に何か異常があるからと言ってもそれが歯科治療の禁忌とは限りません。
要は、歯科治療を行う必要があるか、または歯科治療を行って取り返しのつかない状態になる
危険性がどれくらいあるかです。
正常に生活が営める状態にコントロールされた状態、最低50mm以上、最高160mm/Hg以下に
コントロールされた状態では一応問題はありませんし、それ以上でも治療は可能です。
血圧の高い人では多少出血が多いことはお互いに覚悟しなければなりませんが、
歯科治療の範囲では死ぬほど重篤な症状にはなりません。
ところが、注意しなくてはいけないのは、自分の異常を知っているばかりに歯科治療に対する
恐怖心が強すぎるケースです。誰だって歯科治療に多少の恐怖心を持っています。
残念ながら歯科治療には痛みも伴います。血圧が高いから(低いから)痛くしないで下さいと
頼まれても困ります。そんな方法があればとっくに取り入れています。
薬などを飲んで正常にコントロールされた状態では、正常人と全く同様なんだと自信を持って下さい。
過度な恐怖心からくる過度の緊張ほど悪いものはありません。
歯科治療を受ける心がけとしては、薬などを服用してコントロールされている患者さんは、
必ずコントロールを続けておいて下さい。歯科治療を行う当日は出来るだけ十分な睡眠と
規則正しい食事を採り体調を整えておいて下さい。万が一体調が不十分な場合、
治療を断るかキャンセルして下さい。処置内容によっては、治療後投薬もしますが、
血圧の薬との併用は問題ありません。