「本日、顎の位置を変えました。」

　咬合関係の乱れからくる顎位の低下を補正した場合、長い目で見ると様々な不快症状が軽減される ものと思いますが、狂っていると 言えども長年親しんできた咬み合わせの高さが、一瞬にして 高くなり、おまけに慣れない仮歯（義歯・挙上床）ですので、一時的に様々な不都合が生じる事が 予想されます。平均的には約２週間で慣れるはずですので少々のことは辛抱して下さい。

　従来の治療では、狂った（狂ったと言う感覚さえ無かったと思いますが…）顎の位置を修正する ことなど想像もできませんでした。

その結果、年と伴にますます老人性顔貌や体型になるだけでなく、満足な補綴（歯の治療）すら できず難症例として放置されたり、抜歯の対象とされるなど患者さんにとって決して望ましい 状況ではありませんでした。

　現在でも、顎位の変更に異論を唱える人もいますが、無謀な変更でない限り多くの症例で 思いもかけない良好な結果が得られています。特に歯周疾患で全顎の治療が必要な方にとっては、 顎位と咬合平面の調整無しには決して良好な予後が得られないと断言しても間違いないと思います。

　顎位を変える為の無謀な治療は慎むべきことと思いますが、必要な治療の為に顎位を変えることは 必要と認識しています。これらを十分ご理解の上、多少の不都合，不快感は大目にみて下さい。 ただし、どうしても馴染めない場合は、担当医に遠慮なく申し出て下さい。