歯石が「非自己」と認識された結果生じる拒絶反応。

免疫応答

免疫応答

 免疫応答は、微生物、癌細胞、その他の潜在的な有害物質に対して体を守るための 自己防衛方法です。
 皮膚、胃酸、粘液(微生物や小分子を捕える)、咳嗽の反射、涙及び皮脂にある酵素などは、 有害物質が体に侵入しないように保護するための防壁となっています。これらを先天性免疫と 呼びますが、炎症反応(炎症)も先天性免疫の一部です。

 炎症反応(炎症)は、バクテリア、外傷、毒素、熱、またはその他の原因によって組織が損 傷した場合に生じます。損傷した組織からは、ヒスタミン、ブラジキニン、セロトニン、その 他を含む化学物質が放出されます。これらの化学物質によって血管から組織に体液が流れ出し て局所的な腫張を形成し、外来物質が体の組織に接触しないように助けます。

 免疫システムは「自己」と「非自己」を区別し、非自己として認識した物質に対して反応し ます。体内の非自己に対して免疫反応は誘発され、輸血に対する反応や移植拒絶反応などを引 き起こします。歯科界では一般に「歯石には病原性がない」と言われていますが、私は歯石が 「非自己」と認識された結果生じる拒絶反応のようなものが歯槽膿漏の原因だと認識していま す。