ムシ歯を起こす様々な細菌のうち、最も病原性の高い“ミュータンス菌”が注目を集めています。
ミュータンス菌は歯の表面に付着しやすく、他の細菌の表面付着を促進する膜を作ます。
ムシ歯、菌の作る酸が歯を溶かすことで起こと解釈されています。酸は唾液で薄められますが、
ミュータンス菌の膜は唾液の作用を妨げ、ムシ歯をできやすくすると言われています。
ミュータンス菌の量に比例してムシ歯の発生率が異なることも明らかになっています。従って
このミュータンス菌をコントロールすることが最大の課題として取り上げられています。
私の個人的な意見としても、このミュータンス菌によるムシ歯の発生は、ムシ歯の初期…つまり
エナメル質齲触の発生メカニズムを説明するには適切であるように思っています。
しかし、ムシ歯の本質とも言える象牙質齲触を説明するには不十分であると認識しています。
その理由は、好気性菌であるミュータンス菌が嫌気性環境の象牙質内で酸を産生して、無機質を
溶かすとは思えないからです。
ムシ歯発生のメカニズムはともかくとして、口腔内を清潔に保つことはムシ歯や歯周疾患
を抑制する上でとても重要なことですので是非実行していただきたいと思います。
私の提唱する“口腔内を清潔に保つ”方法は、月に1度歯科医院に行って、プロフェッショナルな
トゥースクリーニング(歯の清掃)を実践することです。