他の治療に比べ、歯科の治療程嫌なものはありません。
「無痛治療」
美しい響きです。誰もが憧れていると思います。
出来る事なら初期の内に…麻酔も使わずに削れる内に…それが無理でも、
歯の神経に炎症が起きる前に麻酔をして治療する。これが本当の無痛治療です。
従ってこの夢のような素晴らしい治療が受けられるのは、余程歯科治療に理解のある積極的な
人だけです。
痛い所を触ったら痛いのはあたりまえ。刺がささって炎症が起き、化膿した所を触ったら
痛いのは経験的に御存じの事と思います。
医療の原点は原因の除去です。此の刺を完全に除去すれば炎症は速やかに治癒します。
ところが「腫れ物に触る」の言葉通り正に腫れた場所に在る刺を取るのですから、如何にも痛そうです。
勿論麻酔をしてと言う事ですが、残念ながら針を刺す痛みも普段の10倍、おま
けに麻酔の効き目は普段の1/10です。
過去に痛い思いをした人が、出来たら触られたくないので、炎症が余程ひど
くなるまで我慢して、いよいよ我慢しきれず治療にきてもまた痛い思いをする
のは当然であるのはお分かり頂けると思います。
「歯がちょっと染み出したので早めにきました。」 も残念ながら手遅れ、歯の神経や歯肉に炎症が
起きてしまったので滲みだしたからです。
痛みの原因を完全に取ったふりして取らないで、触ったふりして触らない…こんなごまかしの
無痛治療があるのも、知っておいて下さい。
良質の治療はどうしても痛みを伴うもの…、治療の後に痛みを残さないもの…。