「大きな穴が開いてますが、浸みたり、痛んだりしませんか?」我々が患者さんにする質問です。
「ちょっと、浸みだしたので早めに治療に来ました。」患者さんがよく口にする言葉です。
原因がムシ歯の場合、もう手遅れです。炎症が歯の神経まで及んだ為の症状ですから組織回復力
の無い歯の神経は除去しなければなりません。
つまり、歯の象牙質部分が腐敗し神経に直接触れる部分まで罹患していても体の抵抗力で
押さえ込んでいるのです。それがわずかでも浸みだした場合、現状では神経を取るしか方法
がありません。
一方、歯を削って僅かでも神経との間に距離がある場合、これは一時的な刺激による
神経の炎症ですから薬を塗るなりして炎症の回復を計る事が可能です。
歯の神経を取ると、歯は死んでしまいます。生きた骨には粘りがあって、
簡単には折れません。歯も同様に、生きているうちは粘りがあって簡単には折れませんが、
死んでしまうと何時か必ず折れたり、割れたりします。
それ以外にも根の先に膿が溜まったりして早ければ数年後、平均して30年後には必ずダメに
なると考えた方が正解です。勿論、一生大丈夫な場合も多くあります。しかも、数年後には必ず
変色しますので前歯では、審美性を含め再治療が必要です。