「子供を産むと歯が悪くなる。」子供にとって全く迷惑な嘘です。
女性が妊娠する前の20代前半は、歯が生えて10数年、新品の歯ですからたいした手入れをしなくても
トラブルが無いのはあたりまえ。
ところが、妊娠する20代後半になると…それまで蓄積した汚れの為、歯も歯肉もトラブル噴出寸前、
おまけに後から生えた親知らずも大ムシ歯になるころ、更に不規則な食事にホルモンの変調。
骨のカルシウムは取られても、歯のカルシウムは取られません。それまでの手入れが十分であれば
妊娠中の歯のトラブルは防げるはずです。子育てに追われて自分の歯に構っていられなくなる
将来に備える意味からも、智歯抜歯を含む結婚前の歯の手入れを必ず行って欲しいものです。
妊娠する前に歯の治療は済ませておきなさい!
我々歯医者の立場から言えば正直な気持ちです。妊婦の治療をして、我々には気苦労や
心配こそあれ何のメリットもありません。出来ることなら避けて通りたいものです。
しかし、患者さんの立場にすればそうはいきませんネ。産婦人科医との申し合わせでは、
妊娠8カ月頃までの安定期には積極的に保存治療はした方が良いとされています。
その理由として、カリエスには自然治癒が無く早めの治療が望ましいこと、胎児に対する
影響がほとんど考えられないこと、出産が終わっても今度は育児に追われ治療する暇がない
などが挙げられています。
妊娠中に薬をのんだら…、麻酔をしたら…、X線を浴びたら…歯科治療に対する要望よりも
不安が大きい人は治療を止めた方が良いでしょう。不安から来るストレスが胎児に何らかの影響を
及ぼすかも知れないからです。
でも、実際の治療による影響はほとんど考えられません。胎盤で濾過されたわずかな情報が胎児に
悪影響を及ぼす可能性は無く、直射日光を数時間浴びた程のX線がどれ程影響するかは想像の域を
脱せません。
昔は、お産の直前まで野良仕事をして立派な赤ちゃんを産んできたものです。