「歯周病は口腔カンジダ症の一病態にすぎない」と考える根拠。
カンジダの歯肉への感染により、毛細血管周囲のコラーゲン線維が弛緩し、毛細血管の一部に
怒張を生じ、内圧の低下が起きます。その結果、末端組織において低酸素症が発生し、細胞の壊死
が起きます。
一方、喫煙はニコチンによる毛細血管の収縮が起こします、また、糖尿病は毛細血管の
病変が起こします。いずれも血流量低下による低酸素症状をさらに助長しますので、
有力なリスクファクターとして考えられます。
カンジダを除去することによりコラーゲン線維の張力が回復すれば、毛細血管の怒張は
消えて組織末端の酸素濃度が上がり、低酸素症が解消されます。そして、組織の壊死が起
こらなくなり、歯周病の進行は停止します。
以上、神奈川県・開業:河北 正 先生の御意見です。
Dental Diamond VOL23.NO.318;173 1998.9 より抜粋。