私自身、カンジダ菌が歯槽膿漏の原因だとは思っていませんが、カンジダ菌が何らかの形で
歯肉炎症状に関与しているのでアムホテリシンBを始めとした抗菌剤を利用する価値があると
考えています。初期治療時およびメインテナンス中にみられる赤く腫れ上がった歯肉には劇的
に効果を示すことを経験しています。但し、長期間にわたる歯石除去を中心としたメインテナ
ンス以外に歯槽膿漏を有効に抑制できる手段が存在しないことをお忘れなく!!
以下新聞記事より抜粋。 河田
簡単なうがいで歯周病が治る、との論文が歯科専門誌最新号に発表された。これまで歯磨き
が中心だった歯周病の新しい治療法として、開業歯科医師の間で注目を集めている抗かび剤治
療の簡略版だ。「大学研究者は民間療法とばかにせず、解明に取り組んでほしい」と、筆者の
山本共夫・歯科医師(横浜市神奈川区)は訴えている。
歯周病は世界的な定説になっている細菌ではなく、かびのカンジダ菌が原因、との新説を打
ち出したのは神奈川県茅ケ崎市の河北正・歯科医師。河北さんは、抗かび剤アムホテリシンB
のシロップ原液で1週間うがいするなどの治療を勧めている。全国でかなり多数の歯科医師が
取り入れている。
山本さんは河北説に関心を持ち、自分自身や患者の口内のカンジダ菌を調べ、抗かび剤の使
用法を工夫した。その結果、抗かび剤はずっと薄くていいと確信した。
デンタルダイヤモンド誌11月号に発表された山本さんの論文によると、今年1月から32
6人を調べた。舌や前歯、奥歯など口内6カ所を綿棒でこすって培養すると、8割以上の患者
からカンジダ菌が見つかった。6カ所とも菌がいる人も、1カ所だけの人もいた。
市販のうがい薬20〜30ミリリットルにアムホテリシンBを1滴入れ、1日1回、30秒
〜1分間のうがいをすると、8割以上は1、2カ月で口臭が消え、歯周病が改善した。うがい
後の1分間の歯磨きが従来の15分に匹敵する清掃効果も認められた。さらに、口内炎、便秘
や下痢、痔(じ)なども改善した。菌の体内への広がりを入り口で抑えた結果ともみられ、
「かび関連の病気は予想以上に多い可能性もある」と山本さんはいう。
歯周病は悪化すると、手術も必要になる。「月4、5人あった歯周病手術が今年はゼロ。こ
の治療が普及すれば、大変な医療費の節約になる。研究者は本気で研究してほしい」と、山本
さんはいう。 河北さんは「山本さんの方法で治るのも事実。ただし、薄い薬を長期間続けて、
耐性菌が生じないか心配」と話している。
「朝日新聞」2001年11月20日