研究者 | 頻度 | メインテナンスあり | メインテナンスなし | |
軽度 | Suimi JD ら | 3ヵ月ごと | 0.03mm/Y | 0.1mm/Y |
中等度 | Ramdjord SP ら | 3ヵ月ごと | 0.04mm/Y | |
重度 | Nyman S & Lindhe J | 2週間ごと | 0.0mm/Y | 1.0mm/Y |
これらの研究から導きだされる結論は、歯肉炎から重度の歯周疾患まで、いかなる歯周疾患
でも適切なメインテナンスにより歯周疾患の進行を阻止し遅延することが可能であることが分
かります。反対に、メインテナンスの伴わない歯周治療は急激な悪化をもたらし、なんら治療
せずに放置されたままよりも有害であるということです。
メインテナンスを行わないのであれば、いかなる歯周治療も効果は期待できない。なぜなら、
疾患は炎症であり、何度も繰り返されて、その都度行う歯周治療は対症療法でしかないからで
す。
メインテナンスに関する多くの研究では、メインテナンスの頻度は2週間ごと、4週間ごと、
3か月ごと、6か月ごと、そして年1回など多様です。1975年のLindhe JとNyman S、同年の
Nyman SとLindhe Jの相次ぐ研究から、6か月ごとのメインテナンスでは,十分な治癒を得られ
ないままに歯周疾患が徐々に進行していくことが明かになりました。
もっともシンプルなメインテナンスの瀕度として、1979年にKnowles JWらは,8年間にわた
るメインテナンスの結果から、治療直後は1週間に1度の口腔清掃指導とPTC(Professiomal tooth
cleaning)を行う治癒期間を経過した後には,3か月ごとに12か月間継続することを推奨して
います。しかし、3か月ごとのメインテナンスで、歯周疾患が進行したり、歯の喪失がみられ
ることも見逃せません。つまり毎月行なえってことです。
参考文献:竹内泰子 「メインテナンスについて」 ザ・クインテッセンス
vol.17 no.7 159-167 1998.7