日付、時間:Thu Jul 13 0:50:09 Japan 2000
氏名: MK
所在都道府県:三重
職 業:医師
年 齢:45歳
性別: male
質問:
はじめて質問します。約1年前に左上(4)がう歯でさし歯にしました。
今年の1月ひどい鼻風邪をひき、5月にも同じ様な鼻風邪をひいて、この時から何となく後鼻漏が
続き時々そのさし歯が何となく痛んだりしていました。治してもらった歯科にも見てもらったのです
が、噛み合わせが上手くいっていないのだろうとのことでした。しかし、頭痛がしたり左の頬が張り
痛い感じがしましたので、耳鼻科に見てもらったら左の上顎洞が真っ白で歯性上顎洞炎も考
えたほうがよいとの事でした。
口腔外科で歯の写真を見てもらったのですが、左上(4)が原因となっているかどうかわからない
との事でした。抗生物質で治療をして上顎洞炎が上手く治らなければ抜歯して治療したほうが
よいと言われました。
左上(4)はさし歯にした時からその歯を叩くと響きます。この歯が原因になっているかどうかわか
る方法はありますでしょうか?
また、この歯が原因であれば、治療は抜歯しかないのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
メールアドレス: kuma@cty-net.ne.jp
ホームページURL: http://
歯性上顎洞炎になり易い部位としては、上顎567番で4番は位置的にはちょっと頻度が低い
ように思います。おそらくレントゲン的には4番の治療に問題はないとの結論のようですが、
状況からすると可能性は十分あります。
徒労に終わるかも知れませんが、やはり確かめてみるべきでしょうね。歯根破折等があれば
抜歯もやむなしですが、その前にさし歯をはずして根管治療の状況を確かめるべきです。
どうも根管治療の治癒率は全国的に低いようですが、的確な治療が行われるならばかなりの
確率で治癒に導くことが可能です。
抜歯は“原因除去”としては最も確実な手段です。しかし後々の補綴処置のために両臨在歯を
抜髄することになれば、またまた同じ悲劇を繰り返す可能性があります。
回答:
“歯性”ということは、あくまでも原因が歯の方に存在して炎症が上顎洞に波及したということで
すので、根本的な原因が除去されれば炎症が治まり交通部分は生体の治癒能力により自然閉鎖
されるはずです。
ブリッジは有髄のままでも製作が可能な場合もありますが、両隣の歯を平行に削合しなくては
ならないのでどうしても削除量が多くなって後々の火種になることが懸念されます。ブリッジの
多くはあらかじめ抜髄するケースが多いものと認識しています。
根管治療は歯医者なら誰でも行っている処置ですが、確実な根管治療となると相当制限されます。
根管治療の腕は大きな開きがあるにも関わらず外観からは判断できません。それよりも、レントゲン
を見て、一見完璧?と思える根管治療をやり直す勇気とそれ以上の技術をもった歯科医はかなり
少ないと思います。反対にいえば、それをやり直して見ましょうという歯医者がいれば、かなりの自信
を持った歯科医だともいえます。