レジンの製品開発は不十分。
レジン充填

日付、時間:Fri Jul 21 19:46:50 Japan 2000    氏名: MT   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:31歳      性別: male  

質問:
歯ぐきが後退してきて、一部の歯について歯根が見えるようになってきて、歯冠との 間に段差が見えるようになってきてしまったので、歯医者に行ったところ、すぐに処置する必 要はないが、気になるなら埋めた方がいいかもしれない、と言われたので埋める治療をしました (左上の第1、2小臼歯、第3大臼歯)。
レントゲンはとりましたが、虫歯はありませんでした。その後、それまで出ていなかった症状として、 冷たいものや熱いものを食べたり飲んだりすると、歯がしみるようになりました。最初の頃はしばら くそんなものかもしれないと思い、様子を見ていたのですが、1箇月経っても収まらないので、再び 歯医者に行ったところ、知覚過敏かもしれないとのことで、歯ぐきとの境目の方まで埋める治療を しました(第2小臼歯)。その後も収まらないのでもう1回行くと、さらに根元の方まで埋める治療を しました。それでも、よくなる気配がありません。
もともと何の痛みもなく、しみることのなかった歯なので、このまま最終的に神経を抜かなくてはな らなかったりするのは、余計な治療をした結果として歯が駄目になったみたいで非常に納得がい かないのですが、現在の症状はどのような原因によるものなのでしょうか。
一応、治療によって、知覚過敏が併発したかもしれない、もともと歯根は敏感な箇所だ、との説明 は受けてはいるのですが、そういうことはよくあることなのでしょうか。
もう一つ質問なのですが、埋める治療のときに、歯を少し削ってから埋めたのですが、単に段差を 埋めるだけなのに、虫歯ではない歯を本当に削らなくてはならなかったのでしょうか。どうも不信感 がつのってしまって、精神衛生上よくない状況です。よろしくお願いします。

ご意見・ご感想:
非常に詳細かつ丁寧なHPで、納得しながら読みました。

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回答  上記の治療は、歯科界で一般的に行われていることで正当な行為とされています。その治療 方法を誤った方法だと思う私がへそ曲がりなのかも知れません。

 歯肉退縮の原因は、歯石や歯垢沈着に伴う炎症によって歯槽骨が破壊された結果です。適切な 対応は、歯石除去と歯周疾患のコントロールだと思います。しかし、歯石除去と歯周疾患のコント ロールを行えば、歯肉炎症が治まって破壊された歯槽骨の位置まで引き締まりますので一時的に ますます歯肉退縮が進んだようになってしまいます。同時に、歯根露出に伴う一時的な知覚過敏を 起こす場合もあります。これらの現象については、患者さんの正しい理解が必要です。
 しかし、コントロールが行き届いている状態ではそれ以上の歯肉退縮はありませんし、知覚過敏 も治まってきます。

 “段差”については、極端な段差があって、汚れが貯留し易くムシ 歯や歯肉炎の原因となるようですとやはり上記のような治療が必要となってきます。その場合は、 維持を作らないと脱離しますのでやはり歯を少し削ってレジン等を詰 めます。20年程前のレジンですと組織親和性が悪く必ずといって良いくらい知覚過敏を併発しまし たが、最近の材料ですとほとんど無くなったとはいえ少なからず知覚過敏を起こす場合もあります。
 この時点で、歯周疾患のコントロールと歯髄鎮静療法を行えば、かなりの確率で知覚過敏(歯髄 の炎症)を抑制することができたかも知れません。しかし、知覚過敏の原因を歯根露出や神経との 距離と認識されていますので、更なる追加処置となったようですね。

 一旦、レジンを撤去して、知覚過敏の薬剤塗布や消炎鎮痛剤の内服それと歯石除去を行って、 知覚過敏の回復を待って改めて種類の違うレジンを詰めれば治る可能性もありますが、“熱いもの が滲みる”とのことですので無理かも知れません。回復しない時は抜髄しか方法がないと思います。

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