温熱刺激による、歯髄の一時的な炎症だと思います。
矯正器具除去後

日付、時間:Sat Jul 22 15:02:20 Japan 2000    氏名: ika   
所在都道府県:大阪   職 業:会社員   年 齢:28歳      性別: female  

質問:
初めまして。是非教えて下さい。先週の土曜日、以前(7年前)に矯正をしていた時の 器具が犬歯2本についたままで、歯石を取る際邪魔なので取ることになり、でもその取ってもら う最中やその後今日までずっとその箇所が、水や食べ物、液体歯磨きなど触れると飛び上がる 程痛いのです。
先生いわく「知覚過敏」らしいのですが、取ってもらうまでは普通の健康な歯だったのにいきなり 取ってもらってそんな風になるんですか?
 取ってもらう過程は詳しくは知識が無いので分からないのですが、まず「器具についているレジ ンというセメントを熱で溶かして、それから歯の表面を磨いた」ということらしいのです。 その後、2回程知覚過敏用の治療をしてもらいました。(その歯の表面に薬をつけて膜をつくると か)でもあまり変わらないようです。空気を吸ったり、歯医者でそこに空気を吹き付けても痛いです。
 少なくとも前の矯正歯科ではそんなことにはなりませんでした。いったいどういうことなんでしょう か。

回答  機械的な刺激や温熱刺激による、歯髄の一時的な炎症だと思います。

 矯正装置がくっついていた所はエナメル質だと思いますので、直接歯髄に炎症を起こす程の ムシ歯等の実質欠損は存在しないと思いますし、またあれば見た目にも明らかだと思います。 器具を除去・研磨する際に、どの程度の熱が歯髄に到達したかは不明ですが何らかの熱が 伝わったものと思われます。

 歯髄を直接ヤケドさせる程の熱は考えられませんが、エナメル質直下の象牙質内に存在する 有機質の一部をヤケドさせる程度の熱はあったかも知れません。一般にみられる象牙質知覚 過敏症は露出した根面付近の象牙細管内の有機質変質が原因と考えられますが、それと同じ 結果になったのではないでしょうか。
 ただ大きな違いは、表面がエナメル質に覆われれいることと新たな刺激が加わらないことです。 表面がエナメル質に覆われていますので、表層からの処置が効果を発揮しない反面、変質した 有機質は自己修復機転により再石灰化して異物性を解除するものと思われますので自然治癒が 期待できます。とりあえずの症状緩和には、消炎鎮痛剤の内服(約1週間程度)が有効かも知れ ません。

返信
 御回答ありがとうございます。ここまで適格に誰も答えてくれなかったので、心から嬉しいですし、 なにより安心しました。本来ならその歯医者から何か説明や処方があるべきなんですが。図解 付き(ちょっとユーモラスで良いですね)で丁寧で、こんなに良い歯科医のホームページはちょっ と無いですよ。 大阪にもこちらのような歯医者さんあればいいのに。この辺り(少なくとも私のかかった所)では ハズレ・ヤブだらけです。いずれにせよありがとうございました!

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