日付、時間:Tue Jul 25 13:48:00 Japan 2000
氏名: A・S
所在都道府県:福井
職 業:会社員
年 齢:31歳
性別: female
質問:
6月20日頃、歯医者選びでご相談させて頂きました。先生
のご意見のとおり「10年以上、不具合にならなかった治療をして頂いた先生」が良いと思い、診察
に行ってきました。
その結果、前の歯科医で抜髄して冠をかぶせた治療は、根の治療が不充分のようだと指摘されまし
た。 特に右下5が痛くて、以前他の歯科2件でレントゲンなど見てもらいましたが、悪くないと言われ
て何の治療もしませんでした。でも、この先生は一見して「病気になりかけているので、歯を助けるた
めに冠をはずして治療しましょう」と言われたので、治療に通うつもりになりました。
でも、1つ心配があります。それは、1週間前に一番痛みのひどかった右下4の抜髄をしましたが、
硬いものでたたいてみるとまだ少し痛みが残っていることです。抜髄前は軽く押さえる程度でも痛み
があったり冷たいものがしみたりしたので、それに比べると軽快してますが、まだ治療が十分でない
のでしょうか? この先生もきちんとした根の治療が歯を長持させるという考えのようで、3、4回根の
掃除をしてくれましたが微妙に痛いように思うのです。
右下5が押えると痛かったり、浮いた感じがするので、そのためにすっきりしない感じがするのでし
ょうか?
また、神経を抜いたあとが治りにくい体質などあるのでしょうか?
他にも抜髄をしたほうがいい歯があるようなのですが、抜髄する・しないの基準(?)は、どの程度の
痛みなのでしょうか?
いままでの先生は歯がしみたりしても抜髄(治療すら?!)しない方針の先生だったのですが、今回
の先生は痛みがあれば抜髄してきちんと根管治療をする方が歯を長持させるという考えのようなの
で、少し戸惑ってます。お時間がありましたら、また先生のご意見を聞かせて下さい。
ご意見・ご感想:
とても勉強になるホームページです。
メールアドレス: aroebox@yahoo.co.jp
ホームページURL: http://
“化膿症”というか免疫抵抗力が弱く化膿し易い体質というのはあります。風邪をひき易いとか…
。
根管治療が全く完璧であれば体質に関係なく、全て治癒します。ところが現実の問題としては完璧
な根管治療など不可能というか存在しません。それでも、そこそこキッチリ治療できていれば生体の
抵抗力と治癒能力でほとんど治癒状態に導いてくれます。今異常の完璧に近い治療もおそらく存在
すると思いますが、治療に対する姿勢とか対応をお聞きしていると「もう少しお任せしてみては」と
思います。
“抜髄する・しないの基準”を一般の方に誤解の無いように伝えることは不可能ですが、「深いムシ
歯が存在する場合、治療前に少しでも痛み(滲み)のあるもの」は抜髄の対象になります。また、
「熱いモノが滲みる」というのも抜髄の対象になります。
抜髄に自信のある先生は、「回復の見込みがないのに長々と痛みを継続させるよりは抜髄」と
判断します。自信がなければ「“抜髄→予後不良→抜歯”よりは、少々滲みる程度であれば治療
しないでもう少し使えるところまで」と判断します。それ以外に諸条件が加わりますので、全てが上
記の図式通りでもないと思いますが一つの基準かも知れません。
返信:
ありがとうございます。治療方針の全く違う先生にあたってしまったので、戸惑いがありましたが、
まさに先生のおっしゃるとおり「抜髄に自信があるかどうか」という基準は、先生方の患者への説明
などですごくよくわかります。
前の先生の治療はレントゲンでも明らかに根管治療の不備がわかるようで、そのために根に病気
が進行するなんて、一体なんのために治療したんだろう..(3本程かぶせた)ショックですが、せめ
て抜歯する程に病気が進行していないことを祈るしかないですよね。
このまま放置しておいてもますます悪くなるだけのように思うので、治療が必要なところは、今の
先生に全部再治療をお願いしようかと思います。
診断:
右下54(54|)は、すでに根管充填が為さ
れた状態で拝見しましたが充填自体は問題なく行われていました。根管治療中にあった痛みも
ほとんど消失していましたので、現状ではこのまま治癒していくものと思われます。2-|-2
と同様、将来根尖病巣ができるかどうかは分かりませんが、少なくとも治療自体限りなく完璧に
近く行われているようですのでまずは心配無用です。
仮に将来根尖病巣ができたとしても、その時点でもう一度根管治療を行えばかなりの確率で
治癒すると思います。