金属アレルギー体質だと確実にリスクは高くなります。
インプラントが不安

日付、時間:Fri Aug 4 23:46:03 Japan 2000    氏名: IM   
所在都道府県:東京   職 業:自由業   年 齢:47歳      性別: female  

インプラント 質問:
 左下の5、6、7、番を失い,歯科医からインプラントの手術を勧められています。使用 するのは、ストローマン社が製造するITI(International Team for oral Implantologyの略)デンタル インプラントで、材質は純チタンです(一回法)。
 10年以上前5,6番を失ったときにバネ式の入れ歯を作ったのですが、喋るときに舌が引っかかる のが嫌で使わないでいたところ、先月になって一本だけ独立していた7番を歯槽膿漏で失う羽目に なりました。同じ失敗はしたくないのでインプラントにしようと思っていますが、心配なのは私に金属 アレルギーがあることです。歯科医にその事を話しましたら、チタンは絶対に被れないし、骨折した とき骨を繋ぐのにも使われるくらいだから大丈夫、とおっしゃいます。
 河田先生はQ&Aの中に、インプラントの失敗の根本原因はアレルギー反応だと思われる、万人 に全くアレルギー反応を起こさない素材の開発が望まれます、と書いていらっしゃいます。というこ とは、チタンでもアレルギー反応を起こすことがあるのでしょうか。金属アレルギー体質だと、その 危険度は増すのでしょうか。アドバイスをよろしくお願いいたします。

ご意見・ご感想:
質問に親身になって答えていらっしゃる姿勢に感激しました。本当は担当の 先生に時間をたっぷりとって説明してもらえるといいのですが。

回答  結論から申しますと、金属アレルギー体質だと確実にリスクは高くなります。また、47歳で歯周 疾患による歯牙喪失があるような体質(免疫抵抗力が弱い)ですとリスクは一層高くなります。

 医科の世界では常識とされている事実ですが、残念なことに歯科界ではその存在を全く知らな いというか理解されていないのが現状です。そのことをいくら歯科医に言っても無駄です。それよ りも現実の対応としては、「リスクは一般の人よりも高いが、それでも成功率は90%以上だから チャレンジしてみるかあきらめるか」のどちらかです。

 “同じ失敗はしたくないのでインプラント”は良いのですが、歯石除去やメインテナンスを徹底して 今残っている歯を生涯機能させる努力を忘れないで下さいね。


返信:
河田先生! 早速のお返事、本当にありがとうございました。
やっぱり金属アレルギー体質はリスクが高くなるんですね。また、年々風邪の治りも遅くなっていて、 免疫抵抗力が弱くなっていることはかかり付けのお医者さんからも言われていましたし、ましてこの 暑さ。抵抗力が衰えている暑い盛りは手術は避けたいといったのですが、実は8月8日(明後日)が 手術の予定日なんです。手術をするかしないかは当日決めてもらって構わないと言われているので、 なおさら今心が揺れに揺れています。
 同じ先生に治療していただいたブリッジ(右上の45を36で支える)は10年以上経った今も全く問 題なく使っていますので、その先生の技術は信頼していますが(信頼してもいいですよね? ただし、 私はその間一度もメンテナンスに通っていません。それは私が悪いのですが)、手術前の歯石の取 り方も中途半端だし、他の歯の健康状態のチェックもおざなりのような気がして、それが不安でしか たないのです。
 インプラントの手術は、義歯が嫌なんですから、それしかないと思っています。でも、歯科医の世界 にはセカンドオピニオンを聞けるシステムって、ないんですか?
 セカンド・オピニオンを聞くには転院した方がいいんでしょうか?

回答:
 セカンドオピニオンのシステムはないでしょうね。6月4日には“歯の健康相談”みたいなものは あるようですが、具体的にレントゲンを撮ったりして診断を下すのとは程遠い存在です。
 転院とまで大げさに考えなくても、治療はともかく複数の先生の診断と処置方針を聞くくらいの 積りで数軒の歯科医院を訊ねる方が近道のようですね。

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