日付、時間：Sun Aug 13 13:57:02 Japan 2000 　　 氏名： S.S　　　
所在都道府県：兵庫　　 職　業：主婦 　 年　齢：30歳　　　 　 性別：　female　　

質問：
こんにちは。現在上の左側切歯の根管治療を半年間行っています。最初は充てん器で おこなっていました。それでも歯茎の裏を舌でおさえると鈍い痛みがあるので消毒を行っていました。 この治療を５ケ月間行いましたが、全く改善されませんでした。それに、消毒を行う際に歯の根っこ から黒い膿がでていたみたいです。
それで最近になり治療方法を変更し、レーザーで直接消毒しています。以後少し痛みがよくなった ように思います。しかし、治療のスピードも大変遅く、いつになったら終わるのか、見当もつきませ ん。そろそろ子供もほしいと考えていますが、歯の治療を終えてからの方がよいと思いますし、また 下記のような妊娠時における危険性もふとしたところから聞いたため、大変不安です。
持続的に口の中に炎症、ばい菌の巣がある状態、歯槽膿漏なんかだと、流産や低体重での出産 など問題があることが、最近分かってきたと。その内容について詳しく教えていただけませんか？

1. ばい菌の巣があると流産や低体重で生まれる可能性がどのくらいあるのでしょうか？
2. ばい菌の巣がある場合、治療が完全に終わらないと子供を作るのは危険でしょうか？
3. もし治療が終了する前に妊娠してしまった場合、その治療を継続することは可能でしょうか？
4. 現在行っているレーザー治療を継続して行うことが最も良いのでしょうか？ 　たとえば抜歯や部分的な病巣の切除など、安全と治療期間短縮の関係から良いと思われる治療 方法をアドバイスいただけないでしょうか？

メールアドレス： sugi@rk9.so-net.ne.jp　　 ホームページURL： http://

　歯性病巣感染と低体重児との関連については、懐疑的な認識しか持ち合わせておりません。 「水虫は？アトピーは？歯槽膿漏は？紫外線は？水は？……」何か一つのことにスポットをあてる と今まで見えなかった心配事が生まれてきます。

　“あらゆる心配事のない状況で妊娠”というのが好ましいことは事実ですが、歯性病巣感染だけを 排除しても片手落ちのように思います。根管治療は、それ程負担のかかる治療ではありませんので 妊娠しても治療を継続して治すべきでしょうね。それよりも長引く根管治療の方が問題があります。

　他の歯科医の認識と異なって、私は根管治療にレーザーを使用すること自体に疑問をもっており ます。根管治療の基本は、根管内汚物の機械的清掃が基本です。その基本が確実に行われて いれば症状は速やかに改善しますのでレーザーは全く不要です。機械的清掃が不十分なままでは、 いくらレーザーを使用しても結果は体験されている通りでしょうね。
　レーザーが悪いということではなく、基本的な清掃を十分に行えば１回の治療でも十分治癒に導く ことが可能だと思います。

　根管治療を的確に行う歯医者は非常に少ないとは思いますが、結果は１回で現れますのでその ような治療をしてくれる歯医者を探す方が近道ではないでしょうか。

返信：
河田先生こんにちは。早速丁寧な回答をいただき、どうもありがとうございました。 心配でずっと気になっていたのですが、ホッとしました。
現在通院している医院の先生も非常に丁寧に対応して頂いているのですが、とにかく治療期間が 長く、改善のスピードが非常に遅いのが不満です。ホームページで先生の病院が姫路にあること を知りました。実は私も姫路に住んでおり、是非治療をお願いしたいのですが、お願いできますで しょうか？よろしければ来院時の予約の方法など、必要な手続きの方法を教えていただきたくお願 いします。
現在通院している医院のカルテももらった方がよのでしょうか？
その場合、どのようにお願いしたらよいのでしょうか？

現在通院している歯科医院の先生も丁寧に対応して頂いており、「途中でやめます」と言いにくい のも事実です。無難な言い方ありますでしょうか？
細かいことまでお聞きして申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします。

回答：
　カルテやレントゲンはあれば便利ですが、各医院に保管義務がありますので 原則持ち出しは不可能です。とりあえずは不要です。
　予約方法といっても特別なものはありません。明日（17日）からは通常通り営業していますので 診療時間内（9：00〜12：00・14：00〜18：00）にお電話（0792-88-4682）いただければ十分です。 保険証とお金（普通は6000円以内）を用意して、できるだけご自身の時間の余裕がある時に予約 して下さい。初診時は最低でも１時間、何か処置を始めるとついつい２時間程度は必要です。

診断：
　|２の根管清掃は結構できていませた。レーザーを使ったせいか、ススというかおこげみ たいなものが根尖部付近に残っていましたが、これを除去して根管充填しておけば根尖病巣は 治癒するはずです。隣の|１にも根尖病巣がありますが、今のところ症状がないことと、 結構な金属ポストが入っていること、それと進行が緩慢なことなどを総合して、今回の治療は見送り ます。将来症状がでた段階で治療を行います。根尖病巣の大きさに関係なく、“治る時には治る”と いう見解です。

術後見解：
　６|の金属ポストは無事除去できましたが、肝心の根管治療が全く不可能な状況でした ので近心頬側根ヘミセクションにきりかえました。残りの２根には問題がなさそうですので、多少 いびつな形にはなりますが単独でのクラウンも可能かも知れません。