噛み合わせだけでは痛まない。
親知らずは抜いたけど…

日付、時間:Mon Sep 4 0:05:55 Japan 2000    氏名: Ari   
所在都道府県:茨城   職 業:医療関連   年 齢:28歳      性別: female  

質問:
 はじめまして。ネットサーフィンで「歯科医院」を検索していたところ、貴ホームページ を見つけました。
 現在までの経過を書かせていただきます。 実はだいぶ前から(7〜8年ほど前)、強く噛むと下 の「親知らず」の手前の歯(第二大臼歯)が痛み(そんなに強くはなく、鈍い痛みです。噛まなけれ ば、痛みは全然ありません)、また、手で揺らすとグラグラして(左右に1〜2mmくらい動きます)痛 いので、先日思いきって歯科医院に行ってきました。その際、奥歯の痛みのことを話したところ、レ ントゲン撮影をした後に、「下の親知らずは左右ともに斜めに生えてきており、強く噛むことによって 奥歯が沈み込み、その結果「親知らず」が押されて神経を刺激して痛むのだろう、とのことで、下側 の親知らずを左右共に抜歯しました。
 抜歯後、それなりに痛みはありましたが、鎮痛剤を使い、2週間経過した今では「親知らず抜歯」 による痛みはありません。しかし、親知らずの手前の歯がグラグラし、強く噛むと痛むのは相変わら ずです。自分で歯を動かした場合、特に口腔の内側から外側に歯を押すと痛いです。また鏡で口の 中をのぞくと、奥歯が内側に入ってしまったように感じられます。
  その後、他の歯の治療もあり、その際に「下の左右の第二大臼歯がまだ強く噛むと痛いこと」と 「手で揺らすと相変わらず左右に動くこと」を話したところ、左右の6,7番のレントゲンを撮影しまし た。撮影した写真を見て歯科医は「ちょっと小さな虫歯があるけど、特に異常はないですね。考えら れるのは噛み合わせが悪いことが原因の歯根膜炎ですね」と言われ、赤いカーボン紙の ようなものを噛まされて噛み合わせの検査をした後、当たっている部分(第二大臼歯)を少し削って、 現在に至っています。
  貴ホームページをはじめとして、いろいろ「歯根膜炎」について調べたのですが、「歯根膜炎=歯 の根っこが化膿する」「虫歯が進行して歯根膜炎」みたいな書き方をされていて、自分の歯の痛み が「歯根膜炎が原因」ということに疑問を持っています。また、知り合い(歯科衛生士)に聞いてみた ところ、「歯根膜炎くらいでは歯は動かないよ。それは歯周病の初期症状」みたいなことを言われま した。
そこで、質問なのですが、 

  1. 仮に歯根膜炎だとして、歯が動揺することはありますか? 
  2. @の場合、歯の動揺は治るのでしょうか。 
  3. 噛み合わせの悪さが原因で、歯根膜炎になることってあるのでしょうか?(私の場合、上下の歯 が左右に2〜3mmくらいずれています)
 ちなみに、問題の下側の第二大臼歯は12〜13年前に他の歯科医院で治療済みです。抜髄はして いなく、虫歯の部分を削って銀色の詰め物(今は酸化して黒っぽくなっています)がしてあります。
 以上、よろしくお願いします。 

ご意見・ご感想:
こんなホームページがあるなんて、感激しました!自分のことだけでなく、家族 の歯の悩みの解決にも役立っています。質問も数多く、ホームページのメンテナンス・更新も大変で しょうが、頑張ってください。今後も期待しております。

メールアドレス: masumi_oniyama@hotmail.com   ホームページURL: http://

回答  “咬合性外傷”といって、過度な咬合圧による歯根膜炎は現実に存在しますし、動揺も起こります。

 但し!! 極端な例として…下顎の歯全てが揃っているのに上顎には前歯1本しか残っていない 場合。比較的それに準ずるようなケースでは、特定の歯に、60kgとも言われる咬合圧がかかって しまいます。そんな過剰な力が加わればイチコロ、数か月以内に抜けてしまいます。
  本当の原因が咬合性外傷による歯根膜炎であれば、咬合負担を軽減することで、歯槽骨も再生 されますし動揺も治まります。

 問題は本当の咬合性外傷かどうかです。ほとんどの歯が揃った状態で咬合性外傷が起こる 可能性は限りなくゼロに近いことが認識されていないようです。一般に歯科医は、咬合性外傷 による歯根膜炎を原因と説明されているようですが、私の20数年間の臨床で、少数歯残存の ケースで数例、多数歯残存では一度もみたことがありません。何か本当の原因を見落としてい るように思います。当初から痛みが第二大臼歯にあったことや動揺=歯槽骨破壊があることを 考えれば第二大臼歯に原因があると考えるべきです。内側から外に押すと痛みを感じるという ことは、外側に問題があることが推測されます。
 外側に存在する問題。歯槽膿漏は年齢的にもちょっと早すぎます。他の歯に同様の所見がない ことも不自然です。一番考えられるのは、該当歯の歯髄が死んでしまって根尖部に炎症が波及 した状態(根尖病巣)だと思います。レントゲンでは確認し難い頬側(外側)に波及した根尖病巣 を疑って診査・治療を行うべきではないでしょうか。

噛み 合わせ 噛み 合わせ 噛み 合わせ 噛み 合わせ 噛み 合わせ 噛み 合わせ 噛み 合わせ