日付、時間:Sat Sep 16 16:02:34 Japan 2000
氏名: T.N
所在都道府県:東京
職 業:その他
年 齢:29歳
性別: female
質問:
初めまして、いつもホームページを拝見させていただいております。今日は、質問し
たいことがあります。
二週間ほど前に、電動歯ブラシに変えたのですが、磨き方が悪かったらしく(他の原因かもし
れないのですが、思い当たるのはそのくらいかな?)歯茎が痛くなり、それでもかまわずに3日
か4日ほど磨いていたところ、ある日同じように磨いていたら歯に激痛が走ったのでみてみると
少し歯茎がめくれていて、歯の黄色っぽい部分まで少し見えてしまっていて、そこを指で触ると
きーんとした痛みが走るようになってしまいました。
特に冷たい物や(冷たい物は時々しみることはある)、熱い物がしみるという訳ではないので
すが、時々物を噛むと少し痛かったり、なにもしていないときも痛いときがあります。歯医者さん
に行ったら、どうも虫歯でもなさそうだし、カリエスでもなさそうだと言われましたが、日に日に痛
くなるように思います。歯茎も少し腫れているようなのでそれで、歯が少し痛かったり、ぐらつい
たり?(それはほんの少しだけ)するのでしょうか?
どうすれば良いのか教えてください(痛い歯は主に左の6番と五番です。よろしくお願いいたしま
す。
ご意見・ご感想:
的確で、素早い回答に驚きながら、感激しながら拝見させていただいています。
一般に、手で磨くよりは電動歯ブラシの方が刷掃効率は高いと認識しています。
刷掃効率が高い分だけ、刺激が強いといえるのではないでしょうか。例え刺激が強くっても健全
な歯茎であれば問題がない…というか好ましい…ものでも、元々炎症の存在する部位では歯肉
が傷つき易くといえます。また、効率良く汚れが除去された結果、腫れていた歯肉が引き締まって
歯根部分が露出したために一時的な知覚過敏が起こっているのではないでしょうか。
問題の場所を中心に歯石除去を行った上で、知覚過敏用の薬を塗るなどして健全な状態を取り
戻してから電動歯ブラシの使用を再開されるのがふさわしいと思います。
ご意見・ご感想:
本当に素早い回答に、感激しております。
回答:
ムシ歯の末期に起こる歯髄炎は、誰の目から見ても明らかな大ムシ歯が確認できます。しかも
回復不可能ですので必然的に抜髄となってしまいます。
問題の知覚過敏も歯髄炎の一種…というよりも歯髄炎そのものです。但し原因は歯周疾患進行
に伴う歯髄炎で、“ただの知覚過敏”…つまり象牙質知覚過敏症といわれるものだと思います。
ムシ歯末期の歯髄炎と違って処置次第で回復も可能ですが、歯周疾患に対する危険信号の
一つと捕らえてあまり軽く扱わないことが大切です。
治療方法としては、薬剤塗布が一般的ですが、根本的な治療方法は歯石の除去です。一回
除石を行ったくらいでは、かえって症状が悪化したようになると思いますが、継続して歯石を
取り続けることにより、歯周疾患がコントロールできた段階で症状は消失します。あまりにも症状
が頑固な場合には抜髄も選択肢に入りますが、その前に薬剤塗布や消炎鎮痛剤内服などに
より回復するケースが多いように認識しています。