日付、時間:Mon May 3 23:36:08 Japan 1999
アクセスポイント:ppp24-yokkaichi.mmtr.or.jp
氏名: 田中忠明
所在都道府県: 三重
職 業: 会社員
年 齢: 32歳
性別: male
質問:
6年ほど前、東京の芝園まで顎関節の治療に通っていましたが、歯科医でかみ合わせを
矯正していく過程での食いしばりを緩和するという名目でメジャ−トランキライザ−を筋肉注射されまし
た。
しかし一週間後、静座不能という副作用から、薬物起因性うつ病となり現在は精神安定剤を飲ん
でないとイライラし、セルシン2ミリ*2、レスリン 5ミリグラム、を朝夕、アモバンを就寝前に服用してい
ます。しかしある日、風邪をひいて感冒薬の新ルルA錠という薬を飲むと、不思議といらいらや、
顎の食いしばり、首筋のコリなどだいぶ楽になるようなのです。
解熱剤が入っているせいだろうと思い、ほかの薬でも試しましたがあんまり効果なしでした。
うつ病と、顎関節症の関係はとりだたされていますが、もし、マイナ−トランキライザ−のようなもの
でもよろしいので、顎関節症、特に、日常の歯の噛み締め、それに伴う、首筋や肩のコリ等に効果の
ありそうなものがあれば教えてください。
また、前うつ性格があるとすればそれが顎関節に及ぼす影響などはどう対処すればよいのでしょうか?
ご意見・ご感想:
近くの歯科医では、顎関節症と言っただけで歯の治療も嫌がられます、
難しいことには携わりたくないのです。ぜひ、よい治療法が見つかることを願っています。
メールアドレス: gca02230@bl.mmtr.or.jp
ホームページURL: http://
驚くほどの薬を飲んでいますね。精神安定剤系統の薬は習慣性がありますので、これは顎関節症
を離れて一種の薬物中毒みたいです。
薬物の効果は、抗生物質のように原因である細菌に直接働きかけて殺菌(原因の除去)するものと、
風邪薬のように症状を緩和し体力の回復を促進して自然治癒を待つタイプのものがあります。
顎関節症の原因は器質の異常ですから、自然治癒を待つか異常を排除するのが根本的な治療方法
といえます。但し、異常を排除しても即座に効果が現れるとは限りませんので回復速度を速めるとか
効果が現れるまでの“つなぎの療法”としてビタミン剤や精神安定剤系統の薬物を使用します。
原因を排除しても即座に効果が現れなかったり、リバウンドといいますか副作用的に一時的な
症状悪化を起こす場合もあります。ドクター側からすると「やることはやったので結果をあせらずに
もう少しゆっくり様子をみてよ!」と言いたいところです。患者さんがあまりにも神経質で結果を
急ぎ過ぎると正確な判断ができないからです。顎関節症は“治療行為と症状の変化を確認して次ぎ
の治療方針を決定する”いわば手探りの治療なのです。デジタル的な治療マニュアルが確立されて
いない現状であることをご理解下さい。
うつ病との関連については、直接の因果関係はないでしょうが、わずかな器質異常があった場合
でも症状を過大に感じ取ってしまう傾向があるように思います。特に肩こりなどの症状緩和という
ことであれば、葛根湯(かっこんとう)という漢方薬が顎関節症に有効であるという学会報告があり
ます。顎関節症は死に直結するような疾患ではありませんし、自然治癒も有り得る疾患です。
あまり結果を急ぎ過ぎると泥沼にはまり込みますので“一生付き合っていく”くらいの気持ちで
のんびりかまえた方が良い結果をもたらすようです。