痛みのメカニズムを理解して考え方を変えないとますます深みに陥ります。
極度の怖がり屋

日付、時間:Mon Oct 23 20:02:40 Japan 2000    氏名: H.H   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:33歳      性別: female  

質問:
一週間前、かかりつけの歯科医院で右下の親知らずの抜歯手術を受けました。萠出 し始めたのは昨年頃で、歯茎に5ミリ程の穴がぽっかり開き、その中に親知らずがのぞいて見え る状態でした。担当の先生からは「あなたは骨格的に顎骨が小さいので、この親知らずはこれ以 上出てこられないと思います。現状のように歯茎に穴が開いている状態ではどうしても不潔になり がちですし、体調の悪い時などには炎症を起こして痛む事が予想されますので、いずれは抜かな くてはいけないでしょう」と言われていました。
 でも、以前右上の親知らずを抜いた時にとても辛い思い(本当に!)をした経験があったので、 恐怖心から、抜歯を延ばし延ばしにしていました。恥ずかしながら、私は極度の怖がりの痛がり で長男の出産の時にも、直後に軽い錯乱状態になってしまったことがあるのです。今回手術した 右下の親知らずも実際、体調によって痛んだりする事も何度かあったのですが市販の鎮痛剤で しのいでいました。 右上の抜歯の際、難航した原因は、
1.顎骨が小さい上に炎症の痛みで口が充分に開かず、 抜歯に使うペンチのような器具 が入らなかったため、 釘抜き(?)のような器具を根元に挿し入れて抜歯した。
2.親知らず自体の形状が、根の方に向かって細くなる弾丸形でなく 砂時計の様な形をし ていた。
という事です。
 しかし、今回の右下もやはり炎症を起こしてしまい頬が腫れ、歯茎に開いていた穴から膿が出て くる程になってしまったので一大決心をして抜歯をお願いしました。歯茎の穴は7番寄りでしたので、 そこから奥へ向かって切開し抜歯することになりました。今回もペンチのような器具が使えず、右上 の時と同様の方法で抜こうとしたのですが、親知らず自体は真っ直ぐ生えていたものの根が曲がっ ていたようで、また1時間以上の苦痛が続きました。手術の最中、涙が出る程とても辛かったのです が恐怖と緊張から、黙ってギリギリまで我慢していました。親知らずが脱臼し、あともう一息という所 で心身ともに限界に達してしまい、先生にお願いして手術を中断してもらいました。先生としては、あ ともう少し頑張りたかったようでしたが私があまりに顔面蒼白な状態だったため致し方なく聞き入れ てくださいました。
 その後の処置としては親知らずを元の位置に押し戻し、切開した所を縫合しました。翌日から毎日 傷の消毒に通い、消炎剤、抗生剤、鎮痛剤を服用し経過を見てきました。術後一週間立ちましたが、 切開部分は順調にほぼ回復したとの事です。担当の先生が心配されていた、親知らず周りの組織 の損傷も新たな感染症も無く回復してきているようです。たまっていた膿は全部出して頂いたので、 3〜4日で腫れも引きました。
現在の症状は、
1まだ口が大きく開かない(1.5センチ以上の物は食べられません)。
2.冷たい物がズキンとしみて、しばらく顎骨の方まで痛みがある。という状態です。
冷たい物がしみて痛む件について、担当の先生の診断では親知らずか、隣の7番の神経が手術の 影響で傷んでいるか、あるいは充分に隠れていないのでは? という事でした。神経が充分に隠れ ていないのが原因であった場合は内側から徐々に刺激を防ぐ壁のような物が出来てくるので個人 差はあるが早くて1ヶ月〜遅くて半年から1年で痛まないようになってくる、との事でした。ただ、「痛 みを感じてから5〜10分もジンジン痛むような場合は神経を抜くなりして処置する必要があるので 教えて下さい」と言われましたが、これは何か良くない症状なのでしょうか?
神経を抜く処置というのは、また痛い思いをするのでしょうか?
笑 気 麻 酔
笑気麻酔
歯科の全身麻酔とも言われます
 いずれにせよ、担当の先生は術後の後遺症(?)に注意して、少しずつ経過を見ていくお考えの ようです。今回中断した親知らずの抜歯をするにしても、現在の症状が全て改善し、痛む前の状態 に完全に戻ってから口腔外科を紹介してくださる、との事です。私自身も先生の方針に同意してい ますが、何しろ今回の手術でますます治療に対する恐怖心が強まってしまい次回抜歯する際には 全身麻酔でないと耐えられないと思います。中断した親知らずは、最終的には抜きたいと思ってい るのでその時には全身麻酔をしてくれる口腔外科で・・・と切に希望しています。抜歯以外の治療に 関しても、笑気ガスを使ってくださる歯科医院もあるそうですね。こういった希望は現在の先生にお 願いすれば、そのような所を紹介していただけるのでしょうか?

ご意見・ご感想:
今後の治療への不安を少しでも解消したくてインターネットであちこち調べてい て河田先生のサイトへたどり着きました。こちらのようなサイトに出会えて、とても心強いです。いろい ろ読ませていただいて、勉強になりました。本当はかかりつけの先生に気兼ねなく質問できれば良い のでしょうが、いざ治療台に座ると緊張してしまって・・・お仕事のかたわらお忙しいでしょうが、これか らも続けてくださるととても嬉しいです。

メールアドレス: ducky_mama@msn.com   ホームページURL: http://

回答  笑気麻酔全身麻酔の前に痛みの メカニズムを理解して考え方を変えないとますます深みに陥ってしまいますよ。
 本来抜歯は局所麻酔下で無痛的に行うことが可能です。抜歯が毎回てこずるのは激しい炎症 があって極端に効き難い状況を選んで抜歯するからです。

 抜歯を始めとした歯科治療なしで生涯過ごすことはできません。何時か必ず何らかの治療をしな くてはならないことは明らかです。歯医者嫌いは分かりますが、それならば一層のこと普段から 歯医者に通って悪くならないようにメインテナンスを行うと同時に未然に異常を発見して、痛みが 出る前に治療するよう心がけるべきです。治療の痛みは最小限で最大の治療効果が得られます。

 私の医院にも笑気麻酔はありますが、ここ10年間は全く使用しておりません。笑気にたよること なく治療が可能だからです。それとかつて笑気に頼っていた人はダメですねぇ。笑気も効かない 状況になって初めて治療を決断するものですから自然と足も遠のきます。お陰で10年後は目も あてられない状況で入れ歯目前です。


返信:Fri Oct 27 10:38:06 Japan 2000
  10月23日に笑気のこと等を質問した者です。今まで、治療が恐い恐いと言いながら歯医者さん を避けていたのは、かえって自らの首をしめる行為だったんですね(笑)。おかげさまで、歯科治療 に対する必要以上の恐怖心は少し緩和されました。「痛くなる前に行く!」・・・これからはその事を 頭の隅において積極的に治療に行くようにしたいと思います。ありがとうございました。

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