全部抜歯しないでヘミセクションで半分残す。
黒 い 影

日付、時間:Tue Oct 24 14:31:54 Japan 2000    氏名: りこ   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:35歳      性別: female  

質問:
2ヶ月ほど前、右下6番の歯(抜髄済み。メタルのかぶせものをしていました)がずきん ずきんと痛み指で触ってみるとぐらぐらと揺れたため病院へ行くと、レントゲン上で2本ある根のう ち1本のわきが少し幅広く黒くなっておりました。こうなると抜歯しかないけれど、もう1本の根は大 丈夫だからもったいないから残そう、とのことで半分だけ抜歯され5番の歯を削りブリッジとなりま した。そこで、いくつか質問させてください。

  1. 黒くなって写っていたのは骨と根に隙間ができたからだそうですが、そうなってしまうとやはり 抜歯しかなかったのでしょうか。そのまま残しておいてはおけなかったのでしょうか。
  2. その黒い影が歯槽膿漏の原因なのでしょうか。歯磨きはきちんとしていましたが、35歳でもそ ういうことはあってもおかしくないのですか。
  3. 5番の歯の神経を抜かれました。本当は抜かれたくなかったのですが、「このままじゃ痛いから」 と薬をつめて殺していましたが、先生だったらどうされましたか?
  4. 歯槽骨吸収とは何でしょうか。 歯槽膿漏のことですか?
  5. ブリッジにしてから3週間たちますが、固いものを噛むとなぜか上の歯がきりっと痛みます(上は メタルのかぶせもの)。下のブリッジ(セラミック)との当たりが悪いのでしょうか。
  6. 土台の歯の6番は半分しかないから、やはり固いものは噛まない方がいいですか?
よろしくお願い申し上げます。

回答  根尖病巣であれば救いようもあったかもしれませんが、抜髄後の歯が動揺する程の状況といえ ば、炎症の位置関係から歯根破折か穿孔でしょうね。外科的な特殊 技術があれば延命処置も考えられたかも知れませんが、不確定な予知性を含めて選択の余地が なかったかも知れません。おそらく歯根破折だったと思いますが、そこのところは担当医に聞いて 下さい。全部抜歯しないでヘミセクションで半分残したことについては 担当医に感謝すべきことだったと思いますよ。

 年齢的にも歯槽膿漏が基礎的に存在しているはずですので今後の対応をすべきだと思いますが、 今回の一件には直接関与していないのではないでしょうか。5番の抜髄に関しては、Bridgeにする 以上やむを得ないことと認識しております。

 上の歯が痛む件については、該当歯に根尖病巣があるとか歯周疾患による炎症が存在するか、 ご指摘のように噛み合わせに問題があるかのいずれかでしょう。固いものを極端に避ける必要も ありませんが、抜髄して何年も経過してすでに1根が破折する?ような状態ですのであまり無理は 禁物です。それ以上に片側脱離による喪失を阻止すべく定期健診を 忘れないようにしていただきたいと思います。


質問:Wed Oct 25 11:14:24 Japan 2000
  昨日ブリッジについて質問させていただき、即アドバイスをいただきありがとうございました。 再びお伺いしたいことがあるのですが、他の方の質問・答えの中で、奥歯は強度の問題から 瀬戸物にするのに疑問を持たれる先生が多い、というのを読ませていただき、私の場合、下5、 6番のブリッジがセラミックなのですが良くなかったのでしょうか。
担当の先生は保険でするつもりの様でしたが、そうなると銀だらけになってしまい抵抗があった 為、「素人で分からないのですが、セラミック希望なのですが。」と言ったところ、それじゃ、そうし ましょう、となった次第です。歯科医として例えば5番はセラミックで6番はメタルでは、という助言 があるべきだったのでしょうか(オールセラミックでなく、歯と接着している部分と内側の下半分は メタルとなっています。=メタルボンド?)。  よろしくご助言願います。

回答:
 個人の価値観の問題ですから正解が一つでもないし、価値観を押し付ける権利もありません。 奥歯のセラミックが必ず破折するのではなく、破折する可能性が高いという事実をどう捕らえるか です。高くて壊れ易くっても(事実を知らなかったとしても…)、審美的に優れた方を選択すると 患者さんが言われれば、それに従う義務はあると思います。一言「壊れる可能性があるよ」と助言 すべきだとは思いますが、店で商品を選ぶ時でも「高い方は辛いですよ」とか「操作が面倒ですよ」 と全てを解説していないのと同じ感覚でしょうか。
 とにかく、結果として壊れない時もあるし壊れていないことですから、またその時の判断として “厚みも十分確保できるので壊れる可能性が少ない”と思ったかも知れません。あまり変なところを 掘り下げて不信の種を探すこともないのではないでしょうか。

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