日付、時間:Wed Nov 22 0:02:04 Japan 2000
氏名: ミホ
所在都道府県:奈良
職 業:主婦
年 齢:50歳
性別: female
質問:
歯石除去について 何も痛みもなかったのに、医師から歯石を取った方がよいで
すと進められました。前歯二本の間の歯石を最初から超音波器具でとられて、隙間(1ミリ)が
開き、歯石を取る前は開いてなかったのに、この治療をしたら隙間が開くのが当然だと医師の
話で、当然、歯の隙間には食べ物が詰まるし、みっともないし、この治療は歯石も元の歯も超
音波で吹き飛ばしているように思います。
このような結果になりましたが前歯を隙間を空けるような歯石のとり方は間違ってるんじゃな
いですか?
歯石除去に際して同様の疑問も多いことと思いますが、疾患に対する理解が大きく不足して
います。またそのような誤解が根強く存在するために、歯科医は歯石を取
ることを嫌い、結果として国民の大半が60歳にもなると入れ歯になっています。
歯周疾患は、歯石沈着によりその周辺で炎症が起こって歯を支える歯槽骨を破壊し最終的に
歯牙脱落に至る疾患です。歯槽骨破壊に伴い歯肉も退縮(痩せる)するわけですが、その歯肉
自体も炎症がありますので、歯石の沈着した状態では腫れぼったくなって歯槽骨破壊程度の
割には退縮量が少なく見えます。
疾患の原因が歯石である以上、歯石の放置は歯牙喪失に直結します。それを阻止するために
は歯石除去が不可欠です。若い時には健康な歯槽骨と歯肉によって隙間の無かった部位には
大量の歯石が沈着して隙間を塞いでいます。歯石を取って開いた隙間というのは、それまでの
破壊によって生じた隙間です。“悪である歯石”を除去すれば隙間が生じるのは当然ですし、更
には炎症が治まれば歯肉健康を取り戻し引き締まってきますので隙間は一層大きくなってきます。
「開いた隙間の大きさは、健康を取り戻した現在のあなた」です。疾患に犯された真の姿を見る
のが嫌でそのまま早期脱落への道を選ぶか、現実を直視して疾患の抑制を望むかの選択になり
ます。前者を選ぶのであれば、数か月も待てば元の姿に復帰しますのでご心配なく!!