日付、時間:Wed Nov 29 14:24:25 Japan 2000
氏名: MM
所在都道府県:東京
職 業:主婦
年 齢:31歳
性別: female
質問:
11月27日に、 根管治療と抜歯について質問した者です。
28日に歯医者に行き、ヘミセクション等ができるかどうか先生にお聞きしましたが、歯自体の
耐久性がほとんど見込まれないこと、以前膿が出た形跡のある歯茎部分の肉が欠落し骨が
見えていること等から、腫れや痛みはなかったものの、レントゲンからの判断でやむなく抜歯
しました。
抜歯した歯は確かにボロボロでいくつかのパーツに砕けていました。そこで、他にも銀をか
ぶせた歯があるので、ふと心配になったのですが通常大きな虫歯を治療後、ポストをたてる
際、根管にたてずその中心の歯茎に立てることはあるのでしょうか。その場合、やはり根管
治療は不可能なのでしょうか・・・。
私は他にも問題があり治療の選択をしなくてはならず、河田先生のご意見をお伺いしたい
のです。右中切歯と側切歯の根管治療についてです。中切歯は18年ほど前に虫歯のため
差し歯にしました。側切歯は神経を抜いてある状態です。先日口全体のレントゲン写真をとっ
たところ、その2本の根に黒い膿袋が確認されました。現在全く痛みはないのですが、これは
即治療をすべきものなのでしょうか。というのも、以前、”痛みの症状の無い、膿をもった根は、
痛みが出るまで治療を待ってもよい。その方が良い場合もある。”と何かで読んだ覚えがある
ので迷っているのです。
また、その中切歯の差し歯は今まで外れることも痛くなることもなく入っているので、それを
また一からやり直す確率が高いようであれば(歯根破折等)、痛みが出るまで待つ方がよい
ようにも思います。また、側切歯のみ治療するということも考えられるでしょうか。
担当医は私の判断に任せるというのですが、どうにも決断しかねています。お忙しいところを
大変恐縮ですが、よろしくお願い致します。
ポストについては、99%は根管に立てますが、有髄歯の場合は根管に立てられませんので短い
ポスト(スクリュー)を側壁に立てることはあります。“中心の歯茎”という表現もおかしいと思いま
すが、そのような術式はありません。
炎症の原因が根管治療の不備であれば、解決方法は根管治療。穿孔であれば穿孔閉鎖。
穿孔は根管治療では治りません。医学の基本は原因除去です。原因を突き止めて、原因を手法
はともかく排除するのが医学の原点です。
症状のない根尖病巣については、痛みや補綴物再製などの必然性がない限り無用に治療する
必要はありません。大きさや、経過年月に係わらず、根管治療が適切であれば何時治療しても
ほぼ同じ結果が得られるからです。治療に伴うリスク(歯根破折や炎症の急性化)は必ずあります
ので、トータル的な歯牙保存を優先してリスクの先送りは有効な選択だと思います。
ちなみに側切歯だけの治療も状況によりますが、可能だと思います。