日付、時間:Wed Dec 6 3:21:39 Japan 2000
氏名: sz
所在都道府県:東京
職 業:その他
年 齢:20歳
性別: female
質問:
5月11日に質問させていただいた20歳女性です。
その後、歯医者さんにいって状況は重度の歯周病と診断されました。毎週の歯石除去を続け
て半年ですが、あんまり改善してないです。歯の動揺は下の中切歯が特にひどく、先生は動揺
の数値は2から3、他の歯も1とか2とか言っていました。あと、歯も全体的に変色?黄色いです。
ポケットは4や6、8というのも結構ありました。
初診時とあんまり変わってません。特に下の中切歯は、歯茎が退縮し、隣の2と半分くらい重な
ってしまっていて、飛び出した方(1)がもうぐらぐらです。奥に引っ込んだ方はもうかなり奥にいっ
て歯並びはすごい乱れてます。重なっていて磨けないし、ブリッジも歯肉の状態がわるいので出
来ないとの事でした。
方法はいちかばちか矯正か、放置のふたつだといわれました。その周辺は歯肉がすぐ腫れてし
まいます。目立つ場所だし、すごい心配です。先生もなんでこんなにひどくなるのか不思議がって
いましたが、アレルギー症状がもともと強い体質(鼻炎が特にひどく、口呼吸)傷が治りに
くい体質、歯並びの悪さもあるとの事でした。若年性歯周疾患は超珍しい例と言われているのに
なんで私が…泣きたいし将来の希望も全く持てない日々が続いています。
先生は、私が若い事もあり熱心に治療をしてくださってますが、むずかしいようです。さじを投げら
れそうで、もう毎日がまっくらです。こんな状況でも、何かまだ手の施し様があるんでしょうか。もし
この後歯肉が安定しても、除石や毎月のケアは絶対熱心にやるつもりです。
“アレルギー症状がもともと強い体質”というのはものすごく大きなマイナス要因です。若年性歯周
疾患といわれる病態の本当の原因だとすら思えます。歯石沈着量も体質に左右されますが、同じ
程度の歯石沈着であっても、アレルギー反応がきつい(=生体の免疫抵抗力が弱い)ために過剰な
炎症が起きてしまいます。炎症は組織破壊現象ですので、炎症の強さに比例して、組織破壊程度が
大きくなります。
生体の免疫抵抗力を高めることが理想的な治療方法だと思いますが、その方法は必ずしも確立さ
れていません。従って、我々にできる最善の方法は、アレルギー反応の元となる歯石を可及的に除去
することです。
それともう1点大切なことですが、歯科界では認知されていない事実として、象牙質知覚過敏症を
注意してください。象牙質知覚過敏は歯周疾患進行に伴う歯髄の炎症です。「滲みる・滲みる」と言っ
ているうちは問題ないのですが(歯石除去や知覚過敏薬塗布は当然行います)、突然滲みなくなった
り激しい痛みを伴うようになると歯髄壊死を疑います。そうなった時点、もしくはその前に抜髄しておか
ないと、半年後には上からの歯槽膿漏、下からの根尖病巣の骨破壊がつながってしまって(エンド・
ペリオ)グラグラ!!歯牙保存の道は一瞬に閉ざされてしまいます。
その意味では、歯周疾患進行傾向の著しい歯は積極的に抜髄する必要性を模索しなければなりま
せん。